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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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政治におけるフリーライダー(タダ乗り者)

 社会科学(経済学・心理学等)の学術用語に「フリーライダー」というものがあります。

 例えば、「地域で使う公園の管理費は支払わないが、ちゃっかりと活用だけはする人」はフリ―ライド(タダ乗り)していると言えます。

 一般的には「集団で参加者同士の貢献により付加価値を産み出すとき、他の参加者に貢献させておいて、自分は貢献せずに得られた付加価値の恩恵にはあずかる人」と言えば分かり易いかと思います。

 以下のような事例は日常生活でも見られることだと思いますが、こういったものも広義のフリーライダーと言えます。

・学校での掃除の時間にさぼって他の生徒に任せる
・大企業等でクビにはならないと高を括って日々手を抜きながら働く
・救急車をタクシー代わりに活用する
・法で定められた税金を不当に支払わず公共サービスを利用する(脱税)
・著作権を無視したコピー商品の作成・販売


 また、行政では、「国の補助金だから」とコスト削減を徹底しなければ、それは地方自治体が国の制度(国税等)にタダ乗りしていると言えるでしょう。

 このフリーライダーですが、事の善悪やらモラル、罪悪感等を考えに入れなければ、確かに個人にとっては合理的な選択です。しかし、ミクロ(個々)では機能しても当然ながら全員が同じ行動をとり始めれば途端に機能しなくなります。

 よって、一つには政治の役割によって、「部分最適化と全体最適化の乖離を是正する」ことが必要になります。 ところが、政治家自身が、同じように部分最適化(個人の合理的選択)を優先して行動するとなると、政治は機能不全になります。

 先日の記事でも触れた通り、「特定地域のみ」「支援団体のみ」、あるいはもちろん「票に繋がるかどうか」等の個人的損得勘定で判断をする。また、あるいは個人的には良かれと思っていても、「子育て支援策の拡大」、「福祉の充実化」等の行政サービスの拡充のみを謳って、そこに「財源」「全体感」「中長期的視点」といった考えがなければ「納税者」や「将来」へのタダ乗りと変わりません。 

 さて、一つには、フリーライダーの防止のカギは人々の「心がけ」ではなく、「インセンティブ(動機付け)」にあると言われています。

 政治において、現時点での選挙結果を見ると、残念ながら政治においてはまだまだこの「政治的フリーライダーが得をする状況」になっていると言わざるを得ません。

 国家レベルではバラマキ的な政策の実施、あるいは個人レベルでは「自分の家の前の道路」をしっかりと整えてくれた方が喜ばれ、大義や必要性があっても増税や制度の廃止・縮小等は歓迎されず、それが選挙結果に影響するといったケースが多いのが現状です。
 
 更に言うと「反原発」「反TPP」「反増税」等に関してしっかりとした対案が示されていれば良いのですが、具体的なHOWがなく、「スローガン」だけを叫ぶ候補者が若者を中心に多くの票を集めていました。しかし、もちろん具体的な方向性を示して合意形成を図るのも政治家の大切な役割の一つですが、個人的には政治家はそれだけでは足りないと思っています。
 何をやるかだけではなく、「どうやって実現するか」という事も考え発信していかなければなりませんし、資源の配分においても先に述べた通り政治家自身が部分最適な視点しか持ち合わせていなければ社会は機能不全に陥ります。

 そうした点も踏まえ、一部のための政治ではなく「みんな」のための政治を行っていくためには、「フリーライド(タダ乗り)しても得にはならない環境をつくること」が肝要であると思っています。しかし、最初に挙げたような事例であれば、法律や罰金等の懲罰的な具体的制度も考えられるのですが、こと政治(選挙)においてはそういった対処は中々難しいと考えています。

 よって、最も効果的な対処法はやはり「有権者の目」という事になります。
 つまり、「有権者一人ひとりがしっかりとした判断基準や一定の知識を持って合理的な選択を行う」ことで、そういったフリーライダー的な政治家を駆逐する。

 もちろん政治家はその判断基準をしっかりと発信する必要があり、一方で公約破り等もあるため中々一長一短にはいかない部分もあるかもしれませんが、特に2期、3期と務める政治家であれば、それまでの実績等でもある程度の判断が可能です。また、例え1期目であってもそれまでの社会人としての実績や出馬の背景などである程度のスクリーニングをかけることも可能だと思います。

 以上、ざっと書かせていただきましたが、より良い政治のために今後も私の町政報告誌や当該ブログ、あるいは出張報告会や座談会などを通して、こういった視点や考え方についても出来る限り発信していきたいと思っているところです。

 なお、当該記事が本年最後のエントリーになるかと思いますので、皆さま良いお年をお迎えください。本年もお世話になりました。

| 言論・政策 | 20:02 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

有権者の合理的判断。
判断するためには、多くのデータが必要で、また、それを精査しなければならず、なかなかその時間を取れない。普段から、政治家の方々の発する情報をどう受け止めていくか..,,,
有権者としては、その辺りがむつかしいところです。

| ヨーコ | 2014/01/03 16:54 | URL |

>>ヨーコさん
正直私自身も悩むことがあるので精度を限りなく100%に近づける事を目指せばある意味一番難しい方法なのでしょうが、まずは自分自身で考える事で一定のスクリーニングは割と楽にかける事(確率を上げる)が出来ると思っています。
日々の政治参加、参画意識も重要であり一定の負担はあるのかもしれませんが、個人的には「みんなのため」「自分のため」に民主主義の払わざるを得ないコストの一つだと捉えています。


| 金田英樹(かなだひでき) | 2014/01/04 00:26 | URL |















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