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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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何故、役所では業務改善・改革が進みにくいのか(2)

 前回の記事に対して早速ご意見を頂きました。良いご指摘だったので私なりの考えをこちらでも共有させていただきたいと思います。

>>改革は、痛みを伴います。
民間は、その痛みが利益として返って来ますが、自治体は職員の給与としては返ってきませんね。
議員さんと、職員、パワーバランスを考えると、信頼関係を構築するのに時間がかかりそうですね。


 ご意見に関してですが、基本的には民間企業においても改革・改善が給与として即座に跳ね返るケースは極めて少ないのが実情かと思います。特に今回事例として挙げたような業務改革の多くは、バブルの崩壊後から経営的に厳しい状況に置かれる中で、利益追求のためと言うよりもむしろ限られた資源(売上・経費等)しかない中で企業が生き残るために行われてきたものです。
 
 個別のケースになりますが、例えば私の勤めていた保険会社は人口減少等により、保険の保有件数が減少するなかで経費を最小化する一方で、同時に顧客を維持するためにサービス向上を図ってきました。この事務部門での業務改善に関しては、在職時に1年間他社に派遣され勉強もさせてもらいましたが、殆どの場合は同様の背景のもとで推進されているという認識です。

 「地方への押し付け」と言う声もありますが、国の借金が増加するなかで地方分権も推進され、地域の事は地域が責任を持って決める時代になりました。住民はどこに住むかで納める税金や国保料、受けられるサービス等も変わってきます。
 例えば、大津町では中学生までの医療費無料化が実現しましたが、小学生までの無料化も実現出来ていない自治体も多くあります。また、極端なケースかもしれませんが、事実上の財政破綻をした夕張市では行政サービスはもちろん職員の数や給与も大幅に削減されました。

 最終的にはサービスを乗り換えれば良い多くの民間サービスと異なり、自治体の場合は家を買うなど一旦そこに根を張ってしまえば中々引っ越す事は出来ません。そういった意味で自治体にはそこで生活する住民に対する責任も大きいと思います(もちろん議員も同様です)。
 また、地方公務員法にある「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」という原則的な事とは別に、現実的な話として一定のサービスが提供できない自治体は市民(Citizen)にも選ばれず、長期的には町長、職員、もちろん議員の給与・報酬を引き下げる事も考えていかなければ住民の理解も得られなくなり、実際にそういった対応を行っている自治体もあります。
 そういった意味で、今のところは赤字経営でも地方交付税措置により最低限のサービス供給体制は保証されるという構造の違いはありますが、今自治体が置かれている状況、そしてあるべき姿は民間企業、そしてそこで働く従業員と基本的には変わらないと思っています。
 なお、「痛みに見合う報酬」という観点で言えば、方向性とはまた別の話ですが、個人あるいは組織レベルでの改善の実施を積極的に進めて実績を上げた職員に対しては、相応に業務評価へ反映させるというやり方が理に適い、納得感もあるのではないかと思います。

 パワーバランスについては、合議機関の一員である議員としても同様に難しさを感じているところです。
 如何に議員自身に理があろうと、納得できる説明がなかろうと(少なくとも議員自身はそう感じていても)、行政機関が判断しなければ決して実現出来ません。議決事項であれば議会で過半数の同意を得られれば予算や条令案を否決、あるいは議員提出議案を可決することも不可能ではありませんが、特にこういった一つひとつの改善・改革のような議決を伴わないような事項に対しての権限はかなり限定的です。

 そういった意味で議員個人として捉えるのであれば、行政よりもパワーバランスとしては弱い立場にあるという見方も出来ます。実際に私もそういった事を痛感した場面も少なくありません。ただそれでも主体的に発言し、疑問・提言を投げかけ、建設的な議論をしていく事が自分自身の責務であると自覚しています。
 
 立場が違えば当然ながら見える景色も異なるのでしょうが、いずれにしてもどちらか一方の努力だけで解消出来る問題ではなく、建設的な議論をしながら共に切磋琢磨していく事が必要であり、私としてはそうしていきたいと思っているところです。

| 言論・政策 | 00:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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