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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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【9月定例会】決算認定において反対討論を行いました

 9月定例会の決算審査において反対討論を行いました。

 以前の記事(⇒リンク)で述べた通り、今回の決算認定にあたっては監査委員からも厳しい意見が多数出ており、議場および各委員会においてもその疑義をただすために様々な質疑がなされました。

 もちろん適切に執行された予算の方が金額的には圧倒的に多く、職員においても限られた予算を出来る限り有効に使うための様々な工夫・努力をされていると思います。そして今回の反対はそれら全てを否定するものではありませんし、昨年度の決算やこれまでの予算審議を通じて指摘・意見した項目に対しても、速やかに対応・改善していただいたものも多数あります。

 しかしながら、以下に記載している通り全体で見ても多数の、部分を見ても複数の大きな不備が見られる状況では、私個人としては、当該決算について私自身はもちろん、住民の皆様に対しても納得感のある合理的な説明は不可能であるという結論に至り、認定には反対の立場を取らせていただきました。

 なお、結果としては「賛成12」対「反対3」で当該決算は「認定」となりました。


 今回の内容に関しては、次の観点・理由で反対討論を行いました。

1.地方自治法第百九十九条第14項にある「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」という項目において疑義が解消できなかった

2.「議会軽視」はひいては「住民軽視」に繋がるものであると考えるが、今回は議会への説明責任という点において明らかに不備があると判断した



具体的には、以下の通りです

【1.最小の経費で最大の効果という観点】
■予算において「不用額」が多く見られた
 「不用額」とは自治体の決算書における予算額と実際に支出した額の差額、つまり予算として計上していたものの実際には使わなかったお金のこと言います。今回の決算書には幅広い分野において「不用額」が目立ちました。
 不用額は職員のコスト削減努力の結果によるものであれば歓迎されるべきものですが、細かく内容を精査した委員会審議において「単なる事務的ミスや漏れ」によって不用額となっている項目も複数みられました。  
 自治体会計は単年度主義になっています。これがどういった事を意味するかと言えば、例えば生活道路の整備等において「本年は予算がないので来年度以降に実施したい」と説明する一方で、その年に収められた税金をミスや漏れにより多く余らせるのは予算の効率的活用が出来ていないということです。これは過去数年の状況と比較しても明らかに増加しています。

■災害対応における予算執行に2つの大きな疑義があった
 今回の九州北部豪雨に伴う農地および農業用施設への補助に関して、議会初日の担当部長の答弁では、「申請さえしていれば本来は国庫補助、つまり国の予算にて支出されるはずであった40万円以上の被害について町の予算で対応したもの」が「厳密に言えば存在した」との事でした。
 もちろん、国の予算であれ町の予算であれ税金である事には何ら変わりありませんが、この国庫補助は大規模な災害にあった際に財源に限りのある自治体を救済するための制度でもあり、この制度を意図的に使わなかった事は大津町民全体にとっては明らかな損失です。

 また、原材料費、重機借上料にて、100万を超える多額の工事が発注されている点です。こうした工事は本来であればしっかりと必要な対応・費用を積算して発注すべきものです。この予算での処理は自治体会計の常識としては軽微なものに限られ、このような執行は通常考えられません。
 積算すらしていないのであれば、それが必ずしも悪い結果になるとは言えませんが「業者の言い値」での発注となり、今回の監査委員への説明にあり、また同時に疑義の出ている「安く済んだ」という事に何の根拠も持たせる事が出来ません。また、工事契約がないという事は瑕疵担保等の契約上の保証もないという事であり、町にとって、ひいては住民にとって極めて不利な状況で予算が執行されたと言わざるを得ません。

 経済建設委員会での審議においては、いずれも「国への申請時期が限られていたため把握・対応が間に合わず仕方なかった」、「農地等の早期復旧のために現地住民からの要望も多数あったため実施した」等の説明がありましたが、併せて本来であればしっかりと整理しておくべき書類や写真等にも不備があったとの答弁もあったとの報告でした。
 被災にあった地域の早期復旧を進める事は大前提ですが、全てにつけて「災害対応だから」という冠が付けば許されるのであれば、極めて無秩序な状況で予算が執行される事になります。私は今回の災害対応という特殊な状況を踏まえても執行上の大きな問題があったと判断しました。


【2.議会・住民軽視という観点】
■処理上適切ではない予算の流用、予備費の充当が多数みられた
 今回の決算においては予算の流用、および予備費の充用が多くみられ、その中には緊急性の低いものに対する安易な対応も散見され、予算承認時には項目すらないものへの充用もみられました。
 予算審議においては、町の予算をどのような目的にどれだけ使うかを審議します。もちろん、年間の計画を3月議会において審議するため、当然ながら多少のずれや変更は出てきますが、そのために期中に追加する対応については「補正予算」において審議します。項目によっては効率的な運営のため敢えて議会の議決を得ず、流用や充用で対処する事もありますが、あるべき姿としてはあくまでも軽微なものに限り、そうではなく多数・多額の流用・充用がなされ、それが容認されるのであれば予算審議の意義すら揺るぎます。

■予算審議段階での説明、質疑・意見への対応が不十分
 今回の決算認定の対象となる予算承認時において、住民生活のために「緊急の対応が必要なため」という事で意見付きで承認したものの、執行にあたってはその意見が生かされていない項目も複数ありました。予算審議においては、緊急な対応が必要なケースや、予算の審議だけでは細かな執行状況等を規定出来ないケースもあり、住民の生活のために「行政と議会」の間でのある程度の信頼関係の下で承認される場合も少なくありません。
 しかしながら、そうした前提と異なる状況で予算が執行される事態があまりにも多発するようでは、今後の予算承認の在り方、考え方から改めなければならなくなります。今回は同僚議員からも学校予算においてそうした指摘がありましたが、私も監査委員からも疑義のあった陣内幼稚園に関する予算では予算審議時にこのようなやり取りをしています。

【質疑】
 陣内幼稚園のリズム室増改築に関して、まだどういった形状・場所で行うかの概要すらも固まっていない段階で工事請負費を3000万と計上しているのは手法として乱暴ではないか
【答弁】
 今回は臨時交付金の分を急いで計上する必要があったためこのような流れとなった。ただし町の建築技師とはしっかり確認して金額を計上している。


 そうした答弁があったにも関わらず、その結果が監査委員からの費用に対する疑義であり、また今回の委員会での決算の説明においてもその疑義を払しょくする事ができませんでした。

 また、上述の震災対応においては、40万以上の対応における町予算の執行や原材料費・重機借上料での対応とする旨も当然ながら予算審議時に議会に対して十分な説明はされていませんでした。


【3.総括】
 こうした項目は今年初めて指摘された事ではなく、これまでも繰り返し指摘されてきたことでもありますが、前述の通り内容によっては昨年度よりも明らかに悪化しています。

 我々は議員として、町民の幸福を最大化する責務があります。今回の決算を認定する事はその観点からも町民の皆様の納得・理解に足るだけの合理的な説明も不可能であると考えました。
 今回は執行部より今後改善していく旨の答弁もあり、各委員会からも認定の前提として複数の意見が付されました。しかしながら、自治体会計が単年度予算である点も踏まえれば当該年度において確たる評価を下し、この決算を認定するべきではないという結論に至り、それが今後の大津町の行政運営において最も住民の生活の向上に繋がると考えました。

 なお、付け加えさせていただくと、今回は不適切(同僚議員の何名かは”グレー”と表現していました)と思われる項目は上述の通り多数見受けられましたが、法令・条例に違反するようなものはありませんでした。
 同僚議員による賛成討論においては「確かに不適切な項目は多数見られたが、認定にあたっては様々な意見も付されており否決するほどのものではない」「監査委員から厳しい意見がついてはいるが結局は議会選出の監査委員からも認定されているのだから議会としても否決という判断はしにくい」等の意見がありました。

 討論を全ての議員が行ったわけではありませんが、上述の通り今回は賛成者が多数を占めていたというのが現実であり、多くの方が同様の考えであったと個人的には受け取っています。
 しかしながら、程度問題という事になるかもしれませんが、私の判断基準では今回の決算は過去の経緯等も踏まえて不適切であると考えるとともに、監査委員と議会では当然ながら審査の観点は違い、「(議会選出の)監査委員の視点で認定されているから議会も認定すべき」というロジックであればそもそも議会での決算審査は無意味だと思います。
 また繰り返しになりますが、自治体会計は単年度主義であり、既に執行された過去年度(=既に終わった事)の審査をするうえで「今後改善するので」という事は判断基準として不適切であり別問題であると考えます。

 もちろん議員それぞれで考え方や判断基準は異なり、それはそれで互いに侃侃諤諤の議論をしていけば良いのですが、私としては上述の考えに基づき賛成の討論を受けても私の考えは変わらず、当該決算の認定に反対しました。

 今回の審査過程においては行政執行部からも多くの反省の弁があり、改善を進めるとの答弁・説明もありました。結果として25年度の決算は議会において賛成多数で認定されましたが、いずれにしても今回の内容も踏まえつつ「最小の経費で最大の効果」が得られるように、より一層慎重な予算審議・決算審査を行い、議員としての責務を果たしていきたいと思います。

| 議会関連 | 23:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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