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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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大津町の財務・財政① ~概論~

 地方財政はもちろん、地方自治体(市町村)における"政治"は世間の関心が非常に薄いように思います。

 例えば、国政についてはメディアによっても多く報じられ、日々の話題に上る事も比較的多いと言えます。国会の様子や首相答弁も日常的にテレビで見る事ができます。消費税による歳入増がどのくらいありそれがどのように使われる、あるいは集団的自衛権や特定秘密保護法などの注目度の高い話題については特番などで分かりやすく解説がされる事も少なくありません。

 しかし、市町村においては、例えば日々の生活道路の状況やハコモノ、あるいは生活に密着した個別の課題等の「行政運営」という観点からは話題になるかもしれませんが、自らが住み暮らす自治体の教育、福祉、物件費などがどのような割合、金額で配分されているのか、あるいは条例の制定・改正が議会においてどのような議論の下で決定・執行されているかということに興味関心を持っている人は少数です。

 そうした関心の低さは投票率にも表れており、基礎自治体である市町村の議会議員や首長選挙の投票率を見ると近年では国政選挙の投票率より概ね10ポイントほど低い傾向にあります。


■衆議院議員総選挙投票率の推移
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(公益財団法人明るい選挙推進委員会HPより)


■統一地方選挙の投票率推移
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(公益財団法人明るい選挙推進委員会)

 小規模な自治体においては地方選挙の投票率が比較的高い傾向も見られますが、そうした場合においても政策自体が争点になりやすい国政選挙と比較して、特に地方議会議員選挙において、更には町の方向性や将来に大きく影響する首長選挙においてさえ、地縁血縁や”お願い”による投票傾向が色濃く、全体としては「政策」や「中身」が問われることは少ないと言っても過言ではないでしょう。

 その原因は、国政選挙と比較して判断材料となる情報が少ないことや、そもそも日々報道される国政とは異なり「何をやっているか分からない」、あるいは事実はどうあれ住民が「自分たちの生活にはあまり関係ないと思っている」等の理由があると考えられます。

 しかし、日本は他の先進国と比較して自治体が大きな役割を担っており、かつ「財政配分における自治体の割合が高い」状況にあります。税収の段階で見ても全体の約60%が国税、約40%が地方税であり、更に行政サービスの段階で最終的に使われるお金を見ると国税が約40%、地方税が約60%まで上昇します(国庫支出金、地方交付税という形で国から市町村へ移譲されるため)。

 つまり、それだけ多くのことが市町村レベルの各自治体で決定・運営されています。そして、その傾向は国策として進められて地方分権の流れのなかで更なる拡大傾向にあります。


■地方財政制度の国際比較
財務省
(財務省財務総合政策研究所「フィナンシャル・レビュー平成23年第4号)


 地域に関わらず、自分の住んでいる自治体の行政に縁がない人はまず居ません。

 我々が日常的に使う水は、町が経営する水道の水です(大津町の場合は菊陽町と共同で大津菊陽水道企業団を設置)。子ども達の多くは町立の幼保育園や小中学校に通っています。毎日通勤通学で使う道には町道が多くあります。町立図書館で本を借り、町営のスポーツの森で運動をします。また、町の様々な会合やイベントが町の公民館で開催されています。更にはゴミ、し尿処理(組合・広域連合)も町の仕事です。

 その他、検診等の母子保健事業、一時保育や延長保育、障がい児の保育等の児童福祉から高齢者福祉に至るまで、住民の生活を支えているのが自治体であり、その取組みやサービス内容は自治体によって異なります。最近では大津町は中学3年生まで医療費が無料になりましたが、就学前までしか対象にならない自治体から北海道の南富良野町にように就学中であれば22歳まで無料になる自治体まで様々であり、それは自治体の財政状況や方針・予算配分おける考え方によって異なっています。

 つまり、自治体の施策・政策は各自治体で異なっており、その財政や予算配分、更には仕事の中身や品質が我々の生活の豊かさに大きく関わっていると言えます。

 しかし、それにも関わらず地方選挙における投票行動にそういった背景が反映されていないのは非常に忌々しき事態であり、一政治家としても情報発信のあり方など、色々と反省すべきことでもあると感じています。


 さて、ここから財政の話に移りますが、家計を見ればその家庭にいくら収入や支出、あるいは借金があり、更に何にどれだけお金を使っているかも一目瞭然です。

 自分のために使うのか、我が子や親のために使うのか、あるいは教育のために使うのか、家を建てるために使うのか。 同じ使うにしても、全体の給料や貯蓄から見てその配分は適切か、費用対効果はどうか、将来的に立ちいくかなど、様々な点を勘案して計画を立てる必要があります。

 子どもが増えれば支出も増えます。おじいちゃんやおばあちゃんが年を取れば介護や医療のための費用も増加します。

 収入が限られている以上、場合によっては見直しも必要でしょう。

 同様に自治体財政を見れば、その町の収支や借金等の状況はもちろん、力を入れている分野、あるいはそうでない分野もそれなりに見えてきます。

 家計同様、自治体で住民サービスを向上させるための新たな取組みを始めるためにはお金が掛かります。
 また家計と同様に日本全体でみても高齢者の数は増加しており、「義務的経費」と言われ、社会保障などに掛かる「扶助費」も増加の一途にあります。

 よって、当然ながら市町村財政においても、「あれもこれも」ではなく、持続可能な適切な配分の検討や適宜の見直しも必要になってきます。

 上述した通り、他の先進国と比較して日本は自治体予算の割合が高く、担う責務は多大です。

 しかし、非常に重要な事であるにも関わらず、自治体の会計や財務・財政は特殊かつ複雑であり、しっかりと理解できている議員は実はそれほど多くありません。それどころか「中堅以上の職員が財政課に異動になったものの最初は理解をするので精一杯」という話も聞きます。
 
 かく言う私も「財務・財政に強い議員」と胸を張って言うには程遠いのですが、これから私の知識の整理も兼ねて「財務・財政」あるいいは「公会計(自治体の会制度)」に関する記事も適宜書いていこうと思いますので、皆さまもぜひ一緒に学んでいただければ幸いです。

 自治体の個別の事業や取組みもそうですが、自らの住み暮らす自治体の財政全体を知ることは町全体の状況を知ることに繋がり、ひいては住民主体のより良いまちづくりにも繋がることだと思います。

| 財務・財政 | 23:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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