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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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大津町の財務・財政② ~自治体歳入の全体像~

 以前の記事で日本は他の先進国と比較して「自治体の果たす役割が大きい」、また「他の先進国と比較して地方税の割合が高い(約40%)」と書きました。

 しかし、それでも日本の場合、「3割自治」と揶揄されるように、自治体収入のうちで税収が占める割合は平均して30%程度です。


 その点については、一つには自治体や国の歳入全体をみればよく分かります。

 まずは自治体の歳入の構成比を見てみると、自治体運営をするために地方税収だけは足りないため、国や県から支出・譲与される「地方交付税」、「地方譲与税」、「国庫支出金」、「都道府県支出金」等、あるいは「地方債」発行による借金等で賄っています。

■歳入決算額の構成比(H24年度)
歳入決算額の構成比
(総務省:地方財政白書より) 


 上図を見ていただくと、「一般財源」とその他の財源がありますが、一般財源は用途の制約がなく「いかなる経費についても使用できる収入」です。
 一方で特定財源である「国庫支出金」等は国から用途を厳しく制限されています。所謂「ひも付き」というものです。

 つまり、もちろんお金に色がついているわけではありませんが、一般的には「一般財源」の割合が高いほど自由度の高い自治体財政運営が出来ると言えます。

 なお、大津町の歳入の状況は以下の通りとなっており、全国の平均と概ね同じです。


■大津町 歳入決算額の構成比(H25年度)

大津町 歳入決算額の構成比(

(大津町:決算カードを基に作成)


 年度によって数%の増減はつきものであるため一概に言えませんが、“財政豊か”と言われる割には「一般財源の比率」が全国平均より若干低い、地方債発行(借金)の割合が高い、といった意外な状況も見えてきます。

 これはそもそも比較するデータが全国大小様々な規模の自治体の平均と比較していることや地方交付税が少ないこと(逆転現象)も理由としてありますが、一つには歳入がある一方で歳出も大きいとも言えます。
 もう少し言うと、他の自治体よりも財政的に手厚い住民サービスがなされている部分もあれば、もしかすると非効率な部分があるのかもしれません。あるいは国庫支出金などの対象事業を比較的上手く活用出来ているのかもしれません。いずれにしろ、このデータだけを見ても分からないことが多いのですが、こうしたところから少なくとも確認すべき差異が見えてきます。


 次に、国の歳入の状況を見るとそもそも税収だけでは4割程度しか財政を賄うことが出来ておらず、半分近くは公債の発行(借金)に頼っている状況です。


■平成23年度一般会計歳入
平成23年度一般会計歳入
(財務省:税制について考えてみよう)
 
 
 ざっくり補足を加えながら整理すると、日本の地方自治体は得られる税収の割合が、国税:地方税=6:4と他の先進国と比較して自治体が直接得る地方税の割合が高いものの歳出も多いため、その他の収入(例えば、公共施設使用料や公営事業、財産処分等)と合わせても、平均して4割程度であり、大津町も同じような状況です。

 しかし、それでも税収だけでは必要な予算を賄うことができないため、国も自治体も債権(借金)を発行してやりくりしています。

 また、自治体の視点でみると、国税の一部の再分配や借金を含めた国の予算を財源とした「国庫支出金」や「地方交付税」を貰っています。

 前者の国庫支出金は国が自治体に使い道を指定して与えるものです。自治体側としては、国に「うちでこんな事業をやるので予算をください」という形で資金をもらいます。

 後者の地方交付税は地方公共団体(自治体)間の格差をなくすために与えられるものです。例えば、過疎や高齢化、産業の空洞化などで税収が少ないため沢山もらっているところもあれば、東京都のように財源豊かで一切もらっていない自治体(不交付団体)もあります。こちらは国庫支出金とは違い、使い道が指定されていません。
 なお、大津町も平成17年度から4年間、主に豊かな法人税に支えられて全国でも数少ない不交付団体の時期がありました。

 財源を使途別に分けると、基本的には自治体の自由に使える「一般財源」は、大津町を含め、自治体平均でも5割弱であり、それ以外は国庫支出金をはじめとした一定の使途にのみ使える「特定財源」となります。また、経費には人件費や扶助費等の必ず必要になる経費(義務的経費)が多くあるため、大きな予算があっても自由度を持って使える割合は実際はそれほど多くありません。

 なお、自主財源と依存財源の区別もあり、前者が自治体自ら調達するもの(地方税・分担金・負担金、使用料、手数料、財産収入、寄付金など)であるのに対し、後者は主に国から与えられるもの(国庫支出金、地方譲与税、地方特例交付金、地方交付税、地方債)です。

 大津町のような、所謂"企業城下町"は一般財源、かつ自主財源である「法人町民税」が景気に影響されやすいため、そのリスクも踏まえた財政運営が必要です。また、企業のみに頼らない財源確保を念頭に入れたまちづくりをする事も重要です。

| 財務・財政 | 23:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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