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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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大津町の財務・財政④ ~自治体歳出の全体像~

 前回までは、主にお金の入口(歳入)の面にスポットを当ててきましたが、今回は出口(歳)の面から大津町の現状をざっくり確認しようと思います。
 
 歳出予算を分類する際、大きく2つの分け方があります。

 1つが行政目的に着目した「目的別分類」、もう1つが経費の経済的な性質に着目した「性質別分類」で、それぞれを簡単に説明すると以下の通りです。

■目的別分類
「どんな目的にお金を使ったのか?」をまとめたものです。
(例:教育費、民生費、衛生費、土木費、商工費、農林水産業費 等)

■性質別
「どんな経費にお金を使ったのか?」をまとめたものです。
(例:義務的経費(人件費、扶助費、公債費)、消費的経費(物件費、維持管理費、補助費等、その他経費(積立金、繰出金等)、投資的経費(建設事業費、失業対策事業費等)


 なお、以下のリンク先は東京都東村山市の資料ですが、自治体によっては次のようにクロス集計した表を公開しており、事業単位とまではいきませんが、何の目的にどんな経費が掛かっているかをざっくり掴むことができます。

 →リンク

 また、以前の記事でも記載した通り、

 財源を使途別に分けると、基本的には自治体の自由に使える地方税や地方交付税、地方譲与税などの「一般財源」、それ以外の国庫支出金をはじめとした一定の使途にのみ使える「特定財源」の2種類になります。


 さて、以下は総務省の公開している目的別歳出決算額ですが、大津町と比較して各性質の予算構成比は大きくは変わりませんが、例えば「商工費」に着目するとパーセンテージでは2.8ポイントほどですが、4分の1以下の配分率であることが分かります。

 もちろん、各自治体で産業の構成が異なるので単純な比較はできませんが、まずは全体を俯瞰し、こういった数値を拾い上げる事が分析や政策検討の一つの切り口になります。


■目的別歳出決算額の構成比(総務省:地方財政白書) 24年度
目的別歳出決算額の構成比



■大津町 目的別歳出決算額の構成比 25年度
大津町 目的別歳出決算額
(大津町:決算カードを基に作成)



 次に性質別歳出決算額ですが、大津町と比較すると各性質の予算構成比はマクロで見る限り、ほぼ同じ割合であることが分かります。


■性質別歳出決算額の構成比(総務省:地方財政白書) 24年度
性質別歳出決算額の構成比



■大津町 性質別歳出決算額の構成比 25年度
大津町 歳出決算額
(大津町:決算カードを基に作成)


 さて、多くの自治体で同様の問題を抱えていますが、性質別分類を時系列で見ていくとここ数年で「扶助費」、つまり社会保障制度の一環として、児童・高齢者・障害者・生活困窮者などに対して国や地方公共団体が行う支援に要する経費の金額、および予算全体における構成費が大幅に増加してきています。

 例えば、平成22年における大幅な伸びは主に子ども手当の創設の影響が大きく、国の政策によるところもありますが、そうした部分を差し引いても、高齢者や生活困窮世帯の増加等により、トレンドとして増加傾向にあります。

大津町 扶助費推移
(大津町:決算カードを基に作成)


 なお、少しややこしいのですが、扶助費増加に伴い新たに発生する経費の中には国庫支出金から措置されるものや、増加に伴い地方交付税に上乗せ算定されるもの等もあるため、増加金額分がそのまま町の財政にダイレクトに影響を与えているわけではありません。しかし、それでも影響は決して小さいとは言えず、また「大津町の財務・財政③(→リンク)」で書いた通り、地方分権が進む中で今後地方交付税の減額や税源移譲等が進めば、今まで以上にこうした特に構成比の大きな部分をどのように抑えていくかで、町の財政事情が大きく変わってくるのではないかと思います。

 もちろん、上述の通り「義務的経費」と言われる通り、抜本的な改善は難しいのですが、24億円の5%でも削れれば、1.2億円になります。

 いずれにしろ、「本格的に高齢社会を迎え、財政的にも更に厳しくなる」と言われていますが、定量的にどのような状況にあるかを見るために少し掘り下げてみました。

 人口動態や経済状況を考えると短期スパンで歳入の大幅な増加を望むのは難しい状況です。

 一方で、現状の行政サービスを維持するだけでも支出の方はどんどん増加している状況です。

 よって、

①行財政改革によりこれまでの業務をより低コスト・高効率・高品質で実施する

②「あれもこれも」ではなく「あれかこれは」のスクラップ&ビルド(新たなサービスを始めるために費用対効果の悪いサービスの見直しを行う)や選択と集中の発想を持つ

③住民もまちづくりに参画する事で行政が担えない部分を補う、あるいはそうした住民の活動を行政が適切に支援することで相乗効果を発揮する(地域福祉や地域防災等での協働)


 そういった事が必要になってきます。

 そのためには、情報公開も積極的に行いながら、その認識を行政・議会はもちろん住民も含めた3者で共有し、そこをスタートラインに協働でまちづくりを考えていく必要があるというのが私の基本的な考えです。

| 財務・財政 | 14:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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