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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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大津町の財務・財政⑤ ~新しい予算編成の在り方~

 これまでも色々と書いてきましたが、予算の主目的は「限りある財源を如何に効率的に配分するか」です。

 これまでは、自治体の歳入減と歳出増の観点から、選択と集中の必要性を述べてきましたが、現代社会におけるもう一つの難しさとして、「成長社会から成熟社会への時代変化」、そしてそれによる「住民ニーズの多様化」が挙げられます。

 具体的にいうと、成長社会においては、

 道路や特に図書館や公民館、体育館等の比較的一般的なハコモノ、あるいは教育や福祉においても、分かりやすい部分にニーズが集中しており、更に好調な財政状況を背景にそれらを実現してきたため、住民満足度も高く、良くも悪くも行政にお任せの時代だったと言えます。


 対して、成熟社会においては、

 ある程度の社会的基盤が整い、その+αとして多様な住民ニーズが生まれているものの、財政状況は厳しく実現できるサービスも限られ、住民満足度の低下に伴って、改善を求める声も高まっています。

 つまり、求められる「サービスの量」だけではなく、「サービスの種類」が増加しているため、一つを実現してもそれによる受益者は相対的に少なくなっており、その予算配分も難しくなっています。

 
 そんな中、自治体財政は「収支均衡」が原則となるため、「選択と集中」により限られた予算を効率的に使っていく必要がありますが、財政が厳しくなる中で財政部門が一律に「前年度○%減」の予算編成を事業部門に要求するケースも少なくはありません。

 また、財政部門主導にしても事業部門主導にしても、そうした削減を図る場合、適切な行政評価によって事業がコントロールされていれば良いのですが、多くの自治体では制度やスキルが成熟していないため、費用対効果や重要度ではなく単に「切りやすい部分から切る」ということも起こりがちです。

 「予算の使い方」を見ても、大きな予算配分は財政部門が握っているため、事業部門は「与えられた予算を使い切ること」があたり前になり、危機感やコスト意識が育ちにくいという事が指摘されています。
 更に、業務の整理を進める場合もコスト削減の結果評価されるのは、結局は財政部門となるため、現場のインセンティブが働かず、モチベーションが上がらないという悪循環になっています。

 そんな中で一部の自治体では例えば次のような制度により、職員のコスト意識を向上させ、”使い切り予算”を是正するように努めています。

 ■包括予算制度
一般財源を各部等に配分し、各部長等のマネジメントの下において自主的な予算編成を行う手法

 ■メリットシステム
事業を行う際の工夫や新たな財源の確保によって予算の節減が認められた場合に、その取組内容に対する評価に応じた配分額を、節減の工夫を行った事業部の翌々年度の予算に上乗せさせる手法



 こうした困難な状況を乗り切るために財政規律を高める事を家計に例えてみると、

 台所を預かる世帯主(事業部)だけが質素倹約に励もうとも、配偶者や子ども等のお小遣生活者(事業部)には伝わりません。よって、財政課だけではなく全ての職員が財政意識を持って業務に臨む必要があります。

 また、世帯主(財政課)としても現場(事業部)の状況をしっかり把握しておかなければ、そもそもの配分自体が見当違いのものになりかねません。

 財政制度の抜本的な見直しは、自治体としてかなりの負担を伴うものです。

 しかし、一つひとつの事業の品質を上げていく事はもちろん、こうした全体的な制度・在り方を議論・改善する事の重要性・必要性は年々高まっており、今後もそうした視点から意見・提案をしていくつもりです。

| 財務・財政 | 21:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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