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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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業務の検証による「スクラップ」「適正化」の手法

 今回の一般質問において業務スクラップ(廃止)や適正化について触れましたが、住民の方に「具体的にどういう観点でやれば良いのか?」とのご質問をいただいたので、『こども医療費中学3年生まで無料』を例にして、ブレスト的に少し検証してみたいと思います。


【目的の確認】
(対内) 子育て環境の充実(医療費を助成することによって子の健やかな育成に寄与し、子育て世代への経済的負担の軽減を図る) 
(対外) 他の自治体との差別化・追従による移住・定住における競争力の維持向上

【影響】
(マイナス面) 一般財源に繰り入れているため、結果的に他の事業に予算的影響を与えている
(プラス面) 受診のハードルを下げることで早期受診による症状悪化や手遅れの抑制にも多少は繋がると考えられる

【目的における効果の検証】
(対内) 子育て世代への経済的負担軽減に繋がっているか? ※アウトプット指標
⇒ 執行金額を見ると一定の制度利用が定量的に確認できる ⇒ ただし、世帯収入にかかわらず制度を利用可能であるため世帯により相対的な負担軽減度合は異なる
(対外) 本当に大津町への移住・定住のためのアドバンテージになっているか?※アウトカム指標
⇒ 一定の効果は推測できるものの定量的な検証は困難 

【課題】
⇒ コンビニ受診を増やして総医療費の大幅な増加に繋がっていないか? ⇒ 社会問題化しており一般論的には増加しているが町内での状況は不明(ただし、導入前のデータがあれば検証可能)
※一般的に外来診療をしていない休日や夜間の時間帯における、本来は救急外来を受診する緊急性のない軽症患者の行動のことで、その増加は重症患者への対応の遅れに繋がる恐れがある

⇒ 必要性の低い受診を誘発していないか(総医療費の増加や、症状の重い患者の負担増(待ち時間の増加等)や医者の負担増加に繋がる) ⇒ 社会問題化しており一般論的には増加しているが町内での状況は不明(ただし、導入前のデータがあれば検証可能)
 
【課題への対策】
(段階的措置の導入) 一定の金額を超えたらその分だけ還付 / 上限や回数制限の設定
(所得による制限) 無償化に所得制限を付与
(内容による区別) 外来は有償だが入院は無償」 / 救急診療分は別途費用を徴収 / 症例によって区別 等 
(その他) ジェネリック薬品の推奨
※ただし、いずれもコスト削減が期待できる一方で目的における導入メリットは減少するため、費用対効果分析およびそれに基づく合意形成が必要。また取組みによっては事務が煩雑になるためオペレーションコストの増加に繋がるため、同じく費用対効果分析が必須。

【サービス・効果の向上】  ※大津町の制度内容は近隣自治体と比較して利便性が高いと言われています
⇒ 立替払い不要の制度(償還払いは患者の手間がかかる)
⇒ 他の自治体の医療機関でも適用できる制度
⇒ 広報によるサービスの認知度向上 (町内・町外(移住検討者への魅力発信))
⇒ 対象年齢の引上げをしてはどうか? (要費用対効果分析) 等

【目的における予算的代替策】
⇒ 同じ予算を使うのであれば、待機児童対策や一人親支援等のその他の子育て支援サービスに回すことでより高い成果に繋げることはできないか

【環境分析】
⇒ 近隣自治体の実施状況(例えば競争力向上が目的であり、かつ既に十分な競争力を持っていれば導入メリットは薄れる)
⇒ 域内の小児科医は不足していないか(子ども医療無償化による「念のため受診」によって小児科医をさらに疲弊させる恐れあり ⇒ 地域医療の崩壊)


 住民からすれば、「行政サービスを充実させてほしい」というのは当然の要求です。 しかしながら、多くの自治体において、そのための必要コストが示されることはほとんどなく、また「パッケージとしてのサービス追加」が行われても、社会環境も変化する中でその必要性はもちろん、品質や適正度合いを随時検証する「仕組み」が未成熟です。

 また、議会を見てもサービスの充実化を叫ぶものの、その廃止や適正化に目を向ける議員は決して多くはありません。

 つまり、単に住民の要求を汲み上げるだけの議員とコスト・効果分析の仕組みが未成熟の行政が組み合わさることで、サービスがどんどん増加し、結果として経常的な支出が増え過ぎる事によって、最終的には自治体の疲弊や負債の増加に繋がります。

 上記の検証においては、他にも検討すべき観点や要素もあるかとは思いますが、最低限上述のような確認を行うことが「スクラップ&ビルド」や「サービスの品質向上・適正化」に繋がります。

 必要な措置としては、こうした検証のフローを「仕組み化」し、議員や首長等が逐一指摘しなくとも組織内で自走化させることだと考えています。

| 言論・政策 | 01:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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