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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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広島県三次市青河地区の取組み

 所属する大津町議会文教厚生常任委員会で広島県三次市(総人口 54,758人/面積 778.2 km²)にある青河地区の住民によって設立された有限会社ブルーリバーの視察研修を行いましたので、私の感想と併せて共有させていただきます。

(有限会社ブルーリバーの設立)

 青河地区は三次市の1地区であり、住民人口は500人ほどの典型的な地方過疎地域でした。しかし、地区の小学校の児童数が廃校基準を割りそうになったことを契機に、地域の有志9人が100万円ずつを出資して、主に空き家を活用した賃貸住宅の建設・リフォームおよびその賃貸(仲介・管理は不動産業者へ委託)を行う「有限会社ブルーリバー」を設立しました。
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(ブルーリバーの取組み)

 大津町でも同様ですが、田舎では過疎が進む一方で、一方で特に東日本大震災以降は都市部からの移住のニーズも少なくはありません。しかし、空き家はあるものの貸し渋りも多く、住める住宅(都市住民の求める安価な一軒家)がないことも課題の一つとなっています。そこで、ブルーリバーが賃借窓口、改修費負担(家賃上乗せで回収)、荷物整理などを請け負うことで利活用できる物件を獲得しています。家賃は広島市内などと比較すると圧倒的に安価で、現在の入居者は10家族42名にのぼるとのことです。

 特筆すべきは、「誰でも移住してくれれば良い」というわけではなく、賃貸住宅への入居条件を設定することで地域活性やコミュニティの維持を図っている点が挙げられます。具体的には小学生以下の子どもがいること、必ず青河小学校へ通学すること、地域行事への参加を努力目標とすることなどがあります。そうした条件を設定することで、結果として地域との繋がりも生まれやすく、賃貸から青河地区の住宅購入に至った定住者も複数(3家族15人)いるとのことで発展性のある取組みとなっています。

(コミュニティスペースとしての役割)

 事務所としても機能している青河公民館は地域住民が気軽に立ち寄る事のできるコミュニティスペースとしても重要な役割を果たしています。こちらは三次市が建設費を支払っていますが、建設にあたっては住民からの施設要望を募集し、20の要望のうち3.5項目を除いて全て実現できたとのことです。

 要望を実現できた要因として、当初自治体側が想定した規模・機能よりも小規模かつ安価であった点が大きいとのことですが、説明していただいた役員の方の「行政は何でも”平等”に同じものを与えようとする。しかし、各地域で不足しているものは当然に異なり、予算の範囲内でその地で求められているものを柔軟に提供することこそが真の平等ではないか」という言葉が印象に残るとともに、行政はもちろん住民の意識・理解もまちづくりにおいては非常に重要であると改めて感じました。「協働」という観点では住民は財政事情を含めて町のことをより深く知り考える必要があり、町としてはより分かりやすい形で情報提供をしていく必要があるでしょう。
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(まとめ)

 当該取組みは何よりも「熱意」と「技術」を併せもつ人財がリソースとして地域にあることが前提となるため、他町はもちろん同じ三次市にある他の地区においても一朝一夕に取り入れられるものではないでしょう。

 上述の通り会社の出資は一人100万円、かつ事業拡大には農協から借り入れを行っているが出資者全員が連帯保証であり、出資金においても自己都合の脱退においては一切返金されない。そこまでの覚悟と思いを持った人財が人口500名の地域に少なくとも9名存在したことになります。また、メンバーは元公務員や農協職員、その他建築技術に精通した方もいるとの事で、事務はもちろん、作業においてもそれぞれの得意分野を生かしながら独立した組織として活動できる体制にあり、例えばリフォームにおいてはそうした人財の活躍により安価で魅力的なものを作り上げることができたようです。

 そうした意味では特に区役等の通常作業においても人材確保に苦慮しているような地域においては同様の取組みは難しいのが現実でしょう。しかしながら、条件付の入居など、今後本町で空き家対策やコミュニティの活性化を図る際に参考になる部分も多々あり、本町で取り入れられる部分もあるかと思います。また、全く同じ人財はいなくとも、本町においても熱意や技術、あるいはその両方を併せ持つ人財は多数存在しています。

 最後になりますが、「協働」と「地域任せ」は全く別物です。当該取組みは行政や補助金に出来るだけ頼らないことを方針としており、それが成功要因の一つであることは間違いないでしょう。しかしながら、こうした取組みが自然発生的に起こるのは極めて稀です。財政・人員体制が厳しくなる中で、自治体が主体となって提供できるサービスや即座に解消できる課題も少なくなっているかもしれませんが、地域への呼び掛けや啓発、情報提供、あるいは地域に存在する人的リソースの繋ぎ役(コーディネーター)を担うことによって、住民主体の取組みを誘発させ、成功に導くなど、「行政の果たすべき、あるいは果たすことのできる役割」を改めて考え、実行していく必要があると考えています。

| 言論・政策 | 23:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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