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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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「自治体自立塾」

 先日の議員勉強会において、お話を伺った鳥取県知事や総務大臣などを歴任され、現在は慶應義塾大学で教鞭を振るう片山善博教授の書籍を通読しました。

 当該書籍は自治体の自立に向け、片山教授の主に鳥取県知事時代の経験を踏まえて書かれたものです。特徴としては、「自治体自立塾」のタイトル通り、県議会はもちろん、基礎自治体である市町村議会の機能強化のための具体的提言が多数含まれています。

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 こちらは少し前に読み終えたのですが、ポイントだけ纏めてご紹介します。

■執行部由来の資料や情報だけに頼らない
 当然ながら行政にとって都合の悪い資料を敢えて提示するケースは稀である。優れた司書機能を前提とした充実した議会図書館を備えるとともに、「公聴会」や「参考人質疑」の機会を増やし、専門家や当事者の知見を一層取り入れていくべき。

■議会は立法権を一層活用すべき
 自治体執行部は日頃の業務を通じて政府各省との関係が深く、その指導に従うとともに意に沿わない領域に乗り出すことへのためらいがある。各省と直接の関係を持たない議会の方が心理的により自由に独自立法を行い得る立場にある。議員個人の努力はもちろん、議会事務局の法政執務能力の向上を進めるべき。

■議会は既存条例の点検を
 条例は出来上がるとそれが常態となり、制定時に必要とした事情や理由が年月の経過とともに消滅したにもかかわらず、なおそのまま存続している場合が多い。既得権化による非効率を防ぐためにも市民・納税者の目線でメスを入れるべき。条例に5~10年の期限を設け、見直しをシステムとして組み込むことも有効である。

■組織の縦割り是正が必要
 筆者が知事を務めた鳥取県では、道路整備要求は土木部、農道整備は農林水産部という形で組織が分かれていたが、部署間で調整がされておらず、無駄や重複が生まれていたため、それらを統合した。その他にも観光と文化を所管する部署が分かれているケースもあるが、観光は歴史や文化と密接に関係していることも多い。様々な分野において、既存の組織フレームに囚われない工夫が必要である。

■”内需”を高める仕組みが必要
 例えば、地産地消においては逆転の発想をし、地域の食材ありきで地産地消を実現できる献立を作るのも良い(”献立ありき”で地域の食材を探すのが一般的)。そこから農家が自主的に地元ではあまり使われていない野菜を生産する流れへ繋げることで、飛躍的に地元調達率を高めることができた事例がある

■近隣の大学や研究機関の人材を積極的に活用すべき
 地域の課題解決に直接寄与するだけではなく、研修・取組みを通じて地域を担う質の高い研究者を地域で育てることができる。 その他の事例として、議員の先進地視察において、海外へ行くケースも少なくないが、よく分からない議員が出向くよりも、地元の研究者や専門家などの分野に明るい者を送った後に共有してもらった方がよほど生産的ではないか。

■ルール作成過程の透明化
 ルールを明確にすることは当然であるが、その決定過程を透明化すべき。首長のサジ加減一つでもっともらしく定められる基準も多いが、資格や基準などを議会の議決事項にすることでより公正・公平なルールに繋がる。

■住民に開かれた教育委員会の実現
 教育委員会の会議は公開を原則としているものの、例えば自治体HP等で場所や日程が案内されていないケースが殆どである。教育委員会の会議についても、議会同様に日程等をオープンにして住民の参画を進めるとともに、現場で働く者や保護者などの当事者の意見を直接会議で聞く機会を設けるべき。そうすることで緊張感が高まるとともに、一層教育行政への”オンブズマン”的な機能を発揮できる。

■予算に自主的な工夫を
 年度後半から年度末にかけては自治体イベントがことのほか多い。主な理由として、自治体予算は単年度主義であり、成立は通常3月下旬となるため、ある程度の事前準備を要する事業は年度の実施は難しく、更に夏の暑さを避けると秋以降に集中しがちである。しかし、実情としては4~5月に実施できれば良い行事も少なくない。予算承認前に実質的な手配を進めることは議会軽視やリスクに繋がるため、例えば前年度の9月ないし12月議会で債務負担行為を設定することを提言する(筆者は鳥取県知事時代に実施済)。

■議会の役割を果たす
 一部に、執行部が提出した議案を否決・修正するのは首長の面子を潰すことになるから避けるべきという風潮があるが、首長の面子を重んじて修正や否決を憚っているようでは議会の役割を放棄したに等しい。



 個人的に同意できる部分と必ずしもそうではない部分がありましたが、前者を中心に個人的な備忘を含めて纏めてみました。

 なお、最後の項目に関しては、執行部側にも特に答弁において、議会・議員の面子を気づかう風潮があるように思いますが、執行部も議会も向くべき方向は”住民”です。

 かつては全国的に、審議において便宜を図るバーター(交換条件)として、議員自らの選出団体や地域の有利になるような要望に対して便宜を求めるような構図も多くあったという話もあります。しかし、公の場において、もちろん相互に敬意は払いつつ、住民第一で遠慮のない議論を尽くすことが執行部と議員に課せられた責務であり、それが住民福祉の最大化に繋がります。

 今後も、当該書籍の内容を含め日々研鑽しながら、妥協なく議論を尽くしていきます。

| 言論・政策 | 23:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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