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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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【H27.12月定例会】 一般質問内容詳細の事前公開②(介護保険制度改正と地域包括ケアシステムの構築)

  明日10日(木)13時からに迫っていますが、2つ目の一般質問の原稿を掲載します。

 今回は内容が複雑かつ多岐にわたることなどから、4泊5日の泊まり込み研修への参加や書籍の読み込みなどを長期間重ねてきたこともあり、いつも以上に張り切り過ぎて、15,000字ほどになってしまい、文字の削減に苦労しました(⇒3,600字)。

 毎度一般質問にあたっては、単に町の取組みや方針を確認するのではなく、政策提言をすることで住民の生活向上に繋がる具体的な変化や改善に繋げるべくミニマム~マックスの獲得目標を持って臨んでいます。

 今回の2点目の質問は普段と少し異なり福祉政策全体にかかわる大きな枠組みとなりますが、『町長や担当課をはじめとする職員の方々と課題を共有する』とともに『私の知り得た先進事例の提供をする』こと、また、『答弁から得られた情報を基にして、次の一般質問や委員会等において、更に具体的な政策提案に繋げる』ことを主な目的としています。

 なお、文字に起こしたものの、当該質問で触れられなかった内容は一つずつ記事にもしていきたいと考えています。

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【一般質問通告内容】
2.介護保険制度改正と地域包括ケアシステムの構築
 平成27年4月から順次施行されている改正介護保険法では、①地域包括ケアシステムの構築と、②費用負担の公平化が大きなトピックで、介護保険制度のなかで地域に求められる役割のさらなる増大が見込まれるとともに、自己負担や保険料の見直しが大きな話題となっている。
  地域包括ケアシステムとは、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後 まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステムであり、保険者である市町村や都道府県が地域の自主性や主 体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていく必要がある。
以上の背景を踏まえ、次の項目における町の方針と対応を問う。
① 平成28年度に予定する総合事業への移行に向けての状況と課題
② 平成27年度から実施している地域ケア会議の状況
③ 在宅臨界点の引き上げに向けた医療・看護体制面での取組み状況(医師会との連携や訪問看護体制の充実)
④ 支援・介護度の改善実績および向上に向けた取組み
⑤ 特に増加が予測されている認知症患者関連施策の状況および計画
⑥ 健康維持・介護予防運動プログラムの効果検証および所管間連携



【一般質問詳細】

 地域包括ケアシステムとは、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供するためのサービス提供体制であり、保険者である市町村や都道府県が地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていく必要があるものです。

 地域包括ケアシステムの推進においては、地域住民、民生委員や町内会、ボランティア団体やNPO、社会福祉協議会、介護保険事業者、医療機関など、地域での自助・互助・共助・公助に携わる関係者・組織の全体像を把握し、有機的にお互いを結びつけ、より効果的で住民にとって価値のある支援をどう展開できるかが鍵になります。
 また、地域福祉計画や、介護保険事業計画などとも密接に連動させて展開すべき内容であり、基礎自治体である市町村の果たすべき役割が最も大きいと言えます。

 さらに、今回の改定では訪問介護、通所介護が国の一律の基準による「予防給付」から、各市町村が地域の実情に応じて実施する「地域支援事業」に移行するなどの変更があり、居住する市町村の考えや政策、国民目線で見れば「どこに住むか」によって、住民が受けられる福祉サービスの差が従前以上に広がっていくと考えられます。

 以上の背景を踏まえ、住民福祉の向上を図るとともに制度を持続可能なものとするための「大津町型地域包括ケアシステム」を実現するために、町の方針と対応を通告書に記載の順番で一つひとつ確認させていただきます。


 1点目に、平成28年度に予定する『新しい介護予防・日常生活支援総合事業』への移行に向けての状況と課題について伺います。
 市町村は平成27年度から29年度の間に現行の体制から移行する必要があり、大津町は第6期大津町高齢者福祉計画及び介護保険事業計画において「28年度から、現行のサービスで対応できる事業から移行すること」を目標としています。

 この総合事業移行のポイントは予防給付の見直しと生活支援サービスの充実です。
 内容としては、先ほど述べた通り、予防給付の一部が「地域支援事業」へ移行するとともに、介護事業所による既存のサービスに加えて、NPO、民間企業、ボランティアなど地域の多様な主体を活用して高齢者支援を進める内容になっており、どのような形で地域の特性に応じた多様なサービスを、民を巻き込みながら整備していくかが大きなポイントになります。


 2点目に平成27年度から実施している地域ケア会議の状況について伺います。

 私は地域包括ケアシステムを実現するために、最も重要となるのがこの地域ケア会議であると考えています。
地域ケア会議とは高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進めていく、地域包括ケアシステム実現に向けた手法の一つです。
 具体的には地域包括支援センター等が主催し、医療・介護等の他職種が協働して高齢者の課題解決を図るとともに、地域に共通した課題を明確化し、共有された地域課題の解決に必要な資源開発や地域づくり、さらには政策形成に繋げることを目的としています。
 
 このケア会議は一つの地域に一つではなく、機能別に複数のケア会議を展開し、それぞれの会議の目的と内容を整理し、内容に応じた関係者を参集する必要があり、何よりもまずは自治体が地域に必要な個別のケア会議、および全体の連動デザインを描く必要があります。

 先に資料もお渡ししていますが、例えば、ケア会議の先進地である兵庫県朝来市では、目的も頻度も参加者も異なる5種類のケア会議を組み合わせて実施することで成果をあげています。このグランドデザインの構築にあたっては、個別課題を解消していくことは当然として、「個別課題から地域課題」、「地域課題から資源開発・政策形成」へ結びつける仕組みを如何に構築するかが重要であり、「個別事例の検討を現場レベルで行う会議」とは別に「個別事例の検討の過程で抽出された地域特有の課題について責任者レベルで検討して資源開発や政策形成に繋げるための会議」を設け、両輪で運営する必要があります。


 3点目は、在宅臨界点の引き上げに向けた医療・看護体制面での取組み状況について伺います。

 在宅臨界点とは、介護度が高くなっても、自宅で介護サービスを利用しながら、その人らしく暮らし続けられる境界のことです。
医療機関の協力ありきの問題となるため苦慮している自治体も多いのが現状ですが、疾病を抱えても自宅等の住み慣れた生活の場で療養し、自分らしい生活を続けるためには、地域における医療・介護の関係機関が連携して、包括的かつ継続的な在宅医療・介護の提供を行うことが不可欠です。


 4点目は、支援・介護度の改善実績およびその向上に向けた取組みについて伺います。

 支援・介護度改善に当たっては、埼玉県和光市が積極的に行っており、毎年4割の要支援認定者が介護保険を卒業するなどの実績をあげ、全国的にも注目されています。

 取組みのポイントを3点だけ紹介させていただきます。

 第一に住民に対して介護保険の理念を理解してもらうための地道な取組みを行ってきたことです。介護度が引き下げられると利用できるサービスは縮小するため、当初は本人や家族からの反発もあったものの、粘り強く情報発信や個別の説明をしていくことで、保険者、介護サービ事業者、市民の3者での意識共有を図ったとのことです。

 第二に、ルーレットやトランプなどの楽しめるアミューズメントカジノや喫茶サロンなどを展開することで、既存のサービスでは足を運んでいなかった層を呼び込むことに成功しています。

 第三に、介護保険からの卒業によって、生活の一部だった通所先を失い逆戻りしてしまう事態を解消するために、地域支援事業を介護保険卒業者の受け皿にするなど、「多種多様な卒業先」を用意し、高齢者に「卒業してもまた居場所がある」という安心感を与える、総合的で切れ目のないサービスを提供しています。


 5点目は、認知症患者関連施策の状況および計画について伺います。

 65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は推計15%で有病者数は2012年時点で462万人、認知症の前段階である軽度認知障害MCIの高齢者も約400万人いると推計されています。
 また、高齢化の進行によって2025年には700万人まで増加し、65歳以上の5人に1人が認知症となると言われており、これにMCI患者数を加えると、約1,300万人となり、65歳以上の3人に1人が認知症患者とその予備軍になると懸念されています。

 具体的な対策に必要な観点としては、進行を遅らせるための措置に繋がる早期の発見体制や、原因と症状に合わせた適切なケア体制、発症後も本人や家族を支えることのできる地域住民の理解や見守り体制の構築、公的私的な施設環境整備であり、それぞれを体系立てて整えていく必要があります。

 そのために国が市町村に対して新たに整備を求めているのが、認知症ケアパス、認知症初期集中支援チーム、認知症地域支援推進員の3つです。

 認知症ケアパスとは、認知症の進行状況にあわせて、いつ、どこで、どのようなサービスを受けることができるのかを分かりやすくまとめたもので、症状の進行にあわせた具体的なケア方法や、利用できる医療・介護サービスなどを一目で知ることができます。また、ケアパスの作成過程において地域に不足している資源が見えてきますので、その全体像の中で実態を整えるとともに、認知症初期集中支援チーム、認知症地域支援推進員の配置や具体的な動きを定めていくのが良いと考えています。


 続いて、6点目の健康維持・介護予防運動プログラムの効果検証および所管間連携について伺います。


 こちらは3点目の改善実績の内容とも関連しますが、健康維持や介護保険プログラムで得られる効果は、「参加者数」に「各プログラムにより得られる効果」を乗じたものであると言えます。
 つまり、広報活動を行ったり、地域公民館での実施や公共交通との連動により高齢者が気軽に参加することのできる環境整備を進めたり、あるいはプログラム自体の魅力を挙げることで参加者を増やしたり、また一方で、科学的な研究データや事業の検証を基にしながらより健康づくりに結びつくような事業を展開していくことが重要になります。

 しかしながら、多くの市町村では保険事業はどれだけ事業を行ったかという評価が中心であり、事業の結果、どれだけの成果が上がったのかという評価が殆どされておらず、事業効果への意識は決して高くありません。

 したがって、社協や各行政区なども含めた各機関が連携・調整を図りながら一体的な政策の下にプログラムを提供し、また個々の効果を検証しつつ、進めていくことが重要だと考えています。

 以上、私の考えと併せて述べさせていただきましたが、町長の答弁を求めます。

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