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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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【H28.3月定例会】一般質問内容詳細の事前公開②(観光による地域経済効果の向上策)

 3月定例会における2つ目の一般質問詳細です。

 なお、6000字近くのボリュームとなってしまったので、ここから内容を削る必要があるのですが、こちらではより意図を正確に伝えるために初稿を掲載します。

【一般質問通告内容】
 2.観光による地域経済効果の向上策について
 地域の観光振興では「いかに観光客を増やすか」が重視される傾向にあるが、「観光客を増やす」ことは「地域の収入を増やす」ための手段にすぎない。経済効果の大きさは、『観光客数』×『消費単価』×『域内調達率(原材料・雇用などの地消)』であり、観光客が増加しても地域内で消費を誘発できなければ、町への経済的メリットはない。
 したがって、地域の強みやマーケットニーズを前提に、「どのような形で人の流れを創り」、「それを地域内でどのように経済効果へ繋げるか」を一体的に考えること、さらにリピート率を高めることなどにもこだわった戦略策定が不可欠かつ最優先で取り組むべき事項である。
 以上を踏まえ、次の項目における町の考えを問う。
(1) 観光市場における大津町の強みをどのように分析しているか。
(2) 観光市場における経済効果の高め方をどのように考えているか。
(3) 経済効果を前提に、地域の強みとマーケットニーズをベースにした基本戦略の策定が必要と考えるが見解は。
(4) 観光資源の開発や広報にあたっては、「観光施策と住民向けの郷土・文化振興および景観整備施策」や「日本人向けと外国人向け」の切り分け・整理、優先付けが必要と考えるが見解は。
(5) 経済効果を生むインバウンド観光施策(外国人向け)として、具体的に次の提案をするが見解は。
①くまモンを積極活用した集客・物産販売に向けた”立地を生かした”地域戦略の策定および事業者支援
②美容院、エステ、マッサージ、歯科治療等の”生活サービス”の販売に向けた地域戦略の策定および事業者支援
③地域資源や行事を生かした体験型ツアーの開発および発信
④滞在型日本語研修の誘致に向けた取組みの実施


【一般質問詳細】

 自治体が行う地域の観光振興では「いかに観光客を増やすか」が重視される傾向にあります。 しかしながら「観光客を増やすこと」は「地域の収入を増やす」ための手段にすぎず、例えば、観光名所に多数の人が訪れても、「道中のお店で食事を済ませて名所だけ見てとんぼ帰り」では、地域への経済的恩恵はなく、それどころか渋滞やゴミの散乱などによって住民にとってマイナスに働くことすらあります。

 したがって、観光客の流入策ばかりではなく、如何にして経済効果、町としての観光収入の増加に繋げるかを考えていく必要があります。

 さて、その観光収入は、『観光客数』×『消費単価』×『域内調達率、つまり原材料・雇用などにおいてどの程度地域の資源を使うか』、に分けられます。

 通告書に記載の通り、私としてはこのうちの「消費単価」を高めるための取組みに特に重きをおき、そのうえで全体像としては、地域の強みやマーケットニーズを前提に、「どのような形で人の流れを創り」、「それを地域内でどのように経済効果へ繋げるか」を一体的に考えること、さらにリピート率を高めることなどにもこだわった綿密な戦略策定が不可欠かつ最優先で取り組むべき事項であると考えています。

 以上を踏まえまして、通告書に記載の5つの項目について伺います。


 第1に、町は観光市場における大津町の強みをどのように分析し、戦略のなかに位置付けているでしょうか。
 強みは複数あると思いますが、私は最大の強みは、県内最大の観光スポットである熊本城と阿蘇を結ぶ交通ルートであり、豊肥本線が走り、熊本空港にもほど近く、さらに空港と駅を結ぶ空港ライナーが発着するという立地であると考えています。
 豊かな自然や歴史なども強みと言えるかもしれませんが、阿蘇エリアや菊池渓谷、あるいは熊本城などの近隣と比較して競争優位にある強みとは言い難く、本町においては、まずは立地という唯一無二の強みを改めて根本に位置付けた戦略を練るべきだと考えています。
 具体的には、大津町を第一目的地として訪れる観光名所の開発ではなくとも、熊本市内や阿蘇を目的に熊本を訪れる方が「少しでも立ち寄りたくなるような観光地とはどのようなものか」を掘り下げ、その中身や広報手法を考えることなどが挙げられます。

 第2に、観光市場における経済効果の高め方をどのように考えているかをお聞かせください。
 私としては、立地という大津町の強みを最大限に生かすためにも、冒頭で述べた『観光客数』×『消費単価』×『域内調達率』における、2つ目の要素である『消費単価』を高めることに第一優先で取り組むべきだと考えています。 1つ目の質問との関連で言えば、大津町の現状としては必ずしも町の名所に人を呼び込まなくとも多く人が通過するという強みがあります。 しかしながら、多くの観光客が通過はしているものの、大津町で食事や土産物の購入などの能動的な消費活動を行っている層は少数です。
 例えば、阿蘇や熊本市へのルートとして大津町を通過する方々に対して、「町としてどのように訴求すれば大津町で食事や土産の購入をしてもらえるか」ということを観光客の誘致策と合わせて検討していく必要があると考えています。

 次に、以上の点も踏まえての3つ目の項目ですが、経済効果を前提に、地域の強みとマーケットの状況をベースにした基本戦略の策定が必要と考えますがいかがでしょうか。

 現状はこの基本戦略が明確になっていないがために、町として「地域で消費活動を行ってもらうこと」の重要性自体は十分認識していながらも、各取組みが上滑りしているように思います。
 経済効果に重点を置くのであれば、新規の観光客を取り込む方策を練っていくのも良いのですが、それとは別に、通過やビジネスホテルへの宿泊、あるいは町内の名所や施設利用などで町を訪れてくれた方々が多数いる現状を踏まえて、町内で消費活動をしてもらうための”動線”を創っていく方法を最初に考えるべきです。

 繰り返しになりますが、人が町に流入してくるだけでは、経済効果は生まれず、そこで消費活動を行うからこそ、地域の事業者が潤い、町への税収増や雇用の拡大が見込めるわけです。 そして大津町は立地という唯一無二の強みがあるため、多数の人が町を通過しており、例え大津町を観光しなくとも食事やお土産などの購入をするようにできれば、効果は計り知れません。
 そうした点を踏まえたうえで、単に単発イベントや観光地の開発を個別に行っていくのではなく、伝統的なマーケティング手法の基本的枠組みを活用しながら、町としての基本戦略を組み立てていく必要があると考えています。

 続いて4つ目の項目です。3点目の基本戦略の話の延長線上にある話ですが、観光資源の開発にあたっては、「観光施策と住民向け文化・景観施策」、「日本人向け施策と外国人向け施策」などの切り分け・整理が必要だと考えています。


 1つ目の観点から言えば、地域の文化財保護などはお金がかかるため、文化や景観整備に併せて観光客の誘致により経済効果の話を無理やり繋げようとする動きもあります。 例えば、「どうせ整備するなら観光客が来やすいようにしよう」、「せっかく整備したから観光名所として売り出してみよう」というような発想で一見合理的ですが、結果として予算も人も余計にかかる一方で、あまり思わしい結果にならないことが殆どです。 したがって、むしろ地域住民向けの景観や文化施策はそれはそれとして整備して、観光は一度切り離して考えるべきであり、そのうえで、対外的な強い訴求力が認められるもののみを選定して、そこに集中的に資源を投入するべきだと考えます。

 また、2つ目の観点で、『観光客』と一言でまとめがちですが、『外国人と日本人』、『欧米人とアジア人』、『県内観光客と県外観光客』など属性は様々であり、求めるものや観光情報を得るルートも異なります。
 今現在大津町では台湾インバウンドに特に力を入れていますが、パンフレット一つをとってもそうした点を前提に入れなければ、観光・消費意欲は喚起できません。 例えば日本人向けに作った既存パンフレットを単純に翻訳するのではなく、台湾人の好む情報をベースにした観光マップや特産品紹介をするような発想が必要です。
 さらに言えば、訪日観光客の多くは渡航前に観光地や『お目当てのお店』のあたりを大方付けているのが一般的であり、観光客が母国にいながら情報を入手できるようにするための情報戦略が重要になることなどが見えてきます。 また、その方策としては、日本は20%程度のFacebook使用率が台湾では70%近く、発信者としてはコストもかからないWEBマーケティングが有効であることなど、層を分けて考えることで色々と繋がってきます。

 つまり、マーケットにおける顧客ニーズを細分化して、マーケット視点、つまり、町外、県外、海外の観光客はどういったものを求めているのかという市場の把握と分析を行い、どの層に特に訴求したいかを考えることが重要です。 「地域の実情を最もよく知る住民の声を生かす」ということも大切ですが、地域住民にとっては何ら魅力のない当たり前の情景なども旅行者にとって魅力的なケースも多々あり、安易にアイディアコンペ化するのではなく、まずはそうしたマーケットの前提と、どういった効果・成果を期するのかという目的をしっかりと共有しなければ、住民との協働という手法が目的化し、本末転倒の状況になります。

 続いて5つ目の項目です。経済効果を生むインバウンド観光施策として具体的に次の提案についての見解を伺います。

 インバウンド観光とは海外からの観光客誘致全般を指しますが、今回はアジア市場、とりわけ本町でも特に力を入れている台湾人のインバウンド観光を意図しているもので、通告書に記載の通り4つ具体策を提案しています。

1点目が、くまモンを積極活用した集客・物産販売に向けた”立地を生かした”地域戦略の策定および事業者支援です。
 観光庁が実施している訪日外国人消費動向調査の費目別購入率を見ると、1位は「菓子類」となっています。 また、外国人に限らず県外旅行者全般に言えることですが、お土産にする際には例えば、日本、熊本などの「旅先が分かること」が重要なポイントになります。 つまり、観光客にとっては、大津町というブランドよりも、旅先を示す印、例えば、くまモンのロゴがある方がお菓子にしても小物にしてもお土産にしやすく、圧倒的に購買意欲をくすぐりやすいと言えます。
 そういう意味では、対象によっては「大津町」だけをアピールするよりも、日本、熊本土産として国内においても台湾においても抜群の知名度と人気を誇るくまモンを大いにアピールしていくことが売り上げを考えれば合理的な側面もあります。
 国内外にかかわらず、まずは、買ってもらうことで本当に良い商品は商品力が評価され、リピートや対面・SNSを通した口コミ効果にも繋がります。 
 したがって、くまモンロゴの利用許諾を独自に取得している事業者の方もいらっしゃいますが、町として、例えば申請の支援等を行うなどの事業者支援、あるいはくまモンを生かした広報戦略や、アンテナショップの誘致、景観づくりなどに取り組むことも考えられます。 ここでも、あえて足を伸ばしてもらわなくとも、「多くの観光客が必ずといって良いほど通過する」という町の立地上の強みが生きてきます。

2点目は、美容院、エステ、マッサージ、歯科治療等の生活サービス提供に向けた地域戦略の策定および事業者支援です。
 インバウンド市場の話題がメディアを賑わしていますが、「モノからコトへ」、「爆買いから体験へ」といったフレーズが示すように、これまで話題の中心だった「物を買う」行為に加えて「何かを体験する」ことに注目が集まっています。 経済用語でいえば、前者は「財」、そして後者は「サービス」です。
 例えば、日本の美容業界ではインバウンド市場への関心度が高まっており、ある大手美容サイトにおいては、“アジアの女性にとって、日本は「美容で憧れる国」NO.1”であり、行きたい理由に挙げられているのは、「おもてなし」「技術力」「清潔感」”と紹介されていました。

 また、マッサージに関しては、様々な国の観光地やリゾートホテルなどで提供されているサービスとして世界で定着していますので、観光との親和性も高いといえます

 歯科診療に関しては、短期滞在者は保険診療を受けることはできませんが、インプラントや審美歯科といった自由診療を受けることは可能です。 特に日本の歯科医療の臨床水準はアジアの中ではトップクラスであり、訪日外国人全体のおよそ8割を占めるアジア市場での競争力は高いと考えられます。

 さらに、生活サービス業の市場の特徴・魅力として、美容院や歯科診療所のように利用者が同じ施設を定期的に利用することが挙げられます。 日本の韓流ブームの際には年に何回も韓国に旅行する日本人が少なくなかったように、LCC就航などで移動コストが下がった今、年に数回程度の頻度であれば外国居住者が日本に通うことも十分想定できます。 現状でも韓国や台湾、香港から訪れる外国人では、訪日経験回数が 10回以上というヘビーリピーターが2割を占めると言われていますが、町内の美容院等に通う習慣がつき、そのついでに観光やショッピングもとなれば、インバウンド消費の安定的な拡大が期待できます。
 町内の関連業者を支援、あるいは連携しながら、そうした生活サービスを手軽かつ便利に活用できるような地域戦略を考えてはいかがでしょうか。

3点目は、体験型の観光パッケージの提供です。

 先ほど述べた通り、観光客のニーズは『モノからコト』へと移行しています。 
 また、多くの外国人観光客は、日本人にありがちな有名な観光地ばかりに目が向いているわけではなく、「新幹線に乗ってみたい」、「本場の和食を食べたい」、「着物や浴衣を着てみたい」といった体験型の旅行を嗜好する意見も多くあります。 その中でも、「大津だからできる体験型観光」のみに特化するのではなく、抜群の交通アクセス等の地の利を最大限に生かして「日本的体験を大津町で手軽にできる」という切り口でパッケージを提供することもニーズを捉えているように考えています。

4点目は滞在型日本語研修の誘致に向けた取組みの実施です。
 北海道の東川町は台湾人の語学研修受入れなどの様々な取組みを開始したことで一躍現地での知名度が高まり、「最も知名度が高い町」とも言われています。
 前段で述べた通り、台湾ではFacebook利用率が7割近く、滞在者がFacebookで挙げる様々な情報が拡散されることで、東川町が台湾人の間で身近な存在となり、語学研修目的だけはなく、旅行先の一つとして選択する層も増加したそうです。

 大津町には、北海道のような大自然はないかもしれませんが、日本の中では温暖で台湾の気候に比較的近い九州熊本ならではの魅力があります。 また、大津町には交通アクセス面での魅力はもちろん県内の公立学校として初めて台湾への修学旅行をはじめ、現在も相互交流を行っている大津高校があるという歴史的経緯やストーリーもあります。
 さらに、この滞在型のパッケージは、実際に生活している方々との日々の接点の中で生活サービスや体験型サービスの素地を作るという意味で、前段で挙げた施策との的な親和性も高いと言えます。
 東川町が実施しているような町立の日本語学校の設立を行うのは難しいと思いますが、例えば日本語コースのある大学との連携や、事業者を支援する形なども考えられます。

 以上、色々と意見・提案させていただきましたが、町長の考えを伺います。

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