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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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罹災証明書に関する再チェック

 表題の件について、私がこれまで住民の方から頂いた問い合わせの中で、特に多かった内容を個人的に思うところと合わせて纏めてみました。

 行政側も慣れない事務で色々と混乱もあったようですので、特に早期に申請された方はこれを機に、ご自身や身の回りの方の状況を改めてご確認いただければ幸いです。 

【罹災証明書の取得】
 罹災証明書の取得に当たっては、当初の段階では誤案内、少なくとも"受け手(申請希望者)が自分には不要であると誤解して本来申請するべき方が未申請で帰ってしまったというケース"がありました。 あるいは、別のお話を聞くと、特に早期に手続きをされた方は"罹災証明書の申請をしたつもりが被災証明書の申請・取得をしているようなケース"もあるのではないかと若干の心配をしているところです。

 罹災証明書は、下図の流れで被災した住家などの被害認定調査を経て発行される証明書で、認定された被害の程度が国からの各種支援策を受ける場合の判断基準となります。 一方で、被災証明書は被害の程度ではなく有無(事実)を証明するものであり、これがあっても基本的には支援制度を受けることはできません。

(大津町における罹災証明書取得までの流れ)
罹災証明取得の流れ

 また、制度の中には、「住宅の応急修理」などの”遡及しての支援が受けられない類のもの”もあり、案内する上で事務を担当する行政組織としては十分留意する必要があります。 さらに、罹災証明書の取得が起点となる制度も多く、迅速な対応が「被災者の一刻も早い生活再建」にも繋がると言えます。

 さらに、こちらも未だに誤解が多いようですが、全壊や大規模半壊だけではなく、「半壊や一部損壊でも対象となる助成・支援制度」も複数あります。 そして、制度を利用する方は基本的には罹災証明書を取得する必要があります。


【住民目線の対応を】
 これまでの非常時における諸対応を見ていて、現行の一つひとつの諸対応が「本当に住民目線で遂行できているか」という事は、今一度考える必要があるように思っています。

 罹災証明書の例を挙げれば、確かに発行は事務負荷も大きく、不要と思われる方の申請はなるべく抑制することが、特に他の優先するべきことのある非常時においては、業務遂行上は理に適っていたかもしれません。 

 しかしながら、通常業務もやらなければならない中で依然大変な状況ではありますが、発災当初と比較すれば事態の落ち着いてきた現状においては、「何とか業務を回すための行政目線の現実的対応」ではなく、「何とかして住民が受けるべき支援を受けることができるようにするための住民目線の”寄り添った”対応」をしていくことが一層求められます。 これからは、どれもこれも「安易に"非常時だから"で済ませられる局面ではない」と思っています。

 現場の職員の方々も自らも被災者である中で、まさに不眠不休の中での精一杯の対応であった事には間違いなく、当時の不備や不足を指摘・批判だけしても生産的ではありませんので事例に関する細かい言及は避けますが、誤解したままの方など住民の皆さまが不利益を被ることのないように、罹災証明書関連のよくある質問およびポイントを少し纏めたいと思います。


【罹災証明書に関するFAQ】
◆全壊・大規模半壊など大規模な被害の者以外は、罹災証明書を申請しても意味がないのか?
⇒半壊・一部損壊でも公的機関や民間の各種支援制度の対象となる場合があります。 以下、特に重要だと思われるものを記載します。

(半壊でも利用できる制度)
熊本県に寄せられた義援金の配分対象(全壊20万円、半壊(大規模半壊含む)10万円)になります。
※義援金自体の申請方法に関しては追って町からHPや広報等でお知らせがあるかと思います。また、今後寄せられる義援金の額等によって配分額の上積みもあるかと思います。
参考リンク(熊本県HP)

「被災住宅の応急修理」の補助が受けられる可能性があります。 ※所得が一定以下などの要件があります
参考リンク(熊本県HP)

「損壊家屋の解体撤去」の補助が受けられます。
※細かな要件や具体的な手続き等に関しては、追って町からHPや広報等でお知らせがあるかと思います。
参考リンク(熊本県HP) 
参考リンク(熊本市HP)

(一部損壊でも利用できる制度) ※半壊でも適用
県内外の私立学校や大学での入学料・授業料減免措置や奨学金等を受けられる場合があります。まずは対象となる各学校・大学のHP等でご確認ください。
参考リンク(熊本大学)
参考リンク(慶應義塾大学)

◆全壊、半壊等の認定基準はどうなっているのか?
⇒一般的には「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」という区分に分けられて罹災の程度が認定されます。 住まいの家屋の主要な構成要素の経済的被害の家屋全体に占める割合が、50%以上の場合は「全壊」、40%以上50%未満が「大規模半壊」、20%以上40%未満が「半壊」、20%未満が「一部損壊」と認定する自治体が多いようです。大津町のHPでは以下の一覧が掲示されています。
大津町被害判定基準


◆罹災証明の被害度認定に不満があるがどうしようもないのか?

⇒不服がある場合には「再調査の申し立てが可能」です。 罹災証明書の発行は,まず1次調査(屋根、基礎の割れ・傾斜等の外観目視調査)に基づいて行われ、被災者からの申請があれば,2次調査(内部立入調査)をすることとなっています。 また、申請前に自己負担で家屋の修復を行うと、被害が認定されないことがありますので片付ける前に、被災状況を写真に撮っておく必要があります。 専門家の目から見ても損壊の程度が認定された被害度にとどまらないということであれば、その旨の意見書を書いてもらっておくと良いようです。
参考リンク(あやめ法律事務所HP)


◆アパートやマンションなどの借家の場合には、罹災証明書を取得しても意味がないのか?
⇒借家の場合にも持ち家と同様に「被災者生活再建支援制度」の適用があり、被害規模が要件に該当すれば、罹災証明書を取得することで受給できます。 ただし、借家人の場合は原則として基礎支援金のみで加算支援金を受け取ることはできません。
参考リンク(あやめ法律事務所HP)
被災者生活再建支援制度


【自らもできる範囲で各制度の自主確認を】
 最後に、前回の記事でも書きましたが、住民側としては「自らできる事はなるべく自らでやり、職員の対応負担を減らして各種業務・取り組みを進めてもらう」ということも、個人でできる復旧・復興支援の一つです。

 併せて言えば、「そもそも行政としてももう少し分かりやすく丁寧な情報発信をすれば、未然に抑制できているはずの問い合わせも多数ある」と感じるのも事実ですが、町の窓口が非常に混雑しており職員の照会対応への負荷も少なくありません。 問い合わせをする前に、例えば町のHPや広報誌を自分なりにしっかりと確認する等の対応をしていただければ幸いです。

| 言論・政策 | 18:40 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

町議なら

しらべれば分かる事じゃなく、半壊、一部損壊でも支援金が出るように町で取り組んでくれるような事をしてください!
大津町ならその様な事で困ってる方が沢山います、支援金を渋るようなやり方が目立ちます!

| 町民 | 2016/05/23 18:33 | URL | ≫ EDIT

ご意見を有難うございます。

 コメントを有難うございます。
 以下、私の考えと取組ついて述べさせていただきます。

【情報発信の意図】
 ご指摘の件につきまして、まず情報発信に関しては、町からの当初の案内を信じて既存の支援制度から漏れてしまっていた方や、調べ方も分からず困っていた方が、私の直接接する中にも何人もいらっしゃいます。 そうした方々に注意を喚起するとともに、少しでも分かりやすい形で情報発信をしていくことがまずは必要だと考えています。 ブログ等での私個人による情報発信だけでは不十分だと感じておりましたが、当懸案に関しては広報6月号において改めて周知いただける予定であるとの回答を先日町から頂いたところです。

 立場や境遇が異なれば必要な情報や伝え方、そして支援の内容もやはり異なってきます。
例えば「情報が理解できている方は改めての情報などは不要」と思われるかもしれませんし、「全壊や大規模半壊と判定された方は半壊や一部損壊への 助成は不要」と思うかもしれません。 ただ、”それぞれの立場”に立って考えれば、情報が届かないがために制度から漏れてしまう方にとって丁寧な情報発信は不可欠でしょうし、半壊や一部損壊でかつ自己資金での復旧が難しい方にとっては金銭的な支援が不可欠であると考えられます。 もちろん、できることに限界はありますが、それぞれの境遇の方々に目を向けることが、政治はもちろん市民社会全般においても重要なことであると思っています。


【町独自の生活再建資金支給上の課題】
 町独自の半壊および一部損壊への支援金に関して、町の現行の条例に照らせば、火災・風水害時の全壊・半壊の見舞金はありますが、一部損壊だけではなく”地震”に対する建物への支援はありません(死亡や障害への弔慰金は地震も含みます)。 もちろん、別途町として支援の制度をつくれば支給は可能ですが、先日の議会全員協議会においての町の回答としては、「現状では町単独での上乗せの支援金などは難しいと考えており、まず国や県に働きかけを継続的に行っていく」との考えが示されました。

 確かに他の自治体の過去事例を見ても、対象世帯の多い大規模な震災時に半壊や一部損壊に対して、市町村の独自財源による既存制度外の支援金を支 払っていることは少なく、私の知る限りでは支払っている場合においてもごく少額です。 もちろん、「前例があるから同様に支払えない」という意味ではなく、これは町の施設、インフラや各商工農施設なども被災するなど様々な場で多額の財政支出が必要な一方で、税収は落ち込むことが予想されるため、中長期は もちろん短期的に考えた場合においても、町全体と町民の暮らしを考えればこそ逆に「出したくても、あれもこれもは出せない」という財政的な背景が大きいと考えられます。

 限られた財源の中においては、民意に耳を傾けつつも町の現状を冷静に分析しながら、例えば家屋だけではなく職や事業所を失ってしまった方への雇用等の刺激策なのか、全壊してしまった方へのより手厚い支援なのか、半壊や一部損壊等の既存の制度から漏れてしまった方への支援なのか、あるいはそれ以外 なのか、まずは被害(者)の全体像を前提にしたうえで、政治的な選択・判断をしていくことが重要であると考えています。 したがって、一つには町だけではなく私としても、被害の全体像が把握しきれていない現状においては、いずれの判断もしづらいというのが正直なところです。場当たり的な発言や対応は、政治家の人気取りにはなっても結局住民の皆様の不利益に繋がる恐れがあり、むしろ個人的には逆に容認できません。


【金田の議員および一市民としての取組】
 ここからが私の行っている取り組みです。
 見舞金や支援金とは異なり、寄付が財源となる「義援金」については、町の財政とは切り離して配分することが可能であり、一般的には町が配分委員会 を立ち上げ、その中で被害度に応じて各金額を決定します。 つまり、全額を被災者にお渡しする前提に立てば、この額が大きければ大きいほど被災者にお渡しできる金額は大きくなります(余剰金を基金として積み立てることも制度上は可能です)。 したがって、多くの義援金が確保できれば全壊・大規模半壊の世帯にはより多くの配分を行うことができますし、一方で半壊・一部損壊世帯への支援を行うことも選択肢としては当然出てくると思います。

 そうした点を踏まえ、今回の震災に当たっては議員としては、いち早く町としての(支援金ではなく)義援金の専用口座を開設しHPで公開することを町へ依 頼・実現してもらうとともに、個人的にも県内外の知人や伝手のある事業主等へも支援をお願いしたところです。 全壊・大規模半壊・半壊・一部損壊等の被害 の度合いにかかわらず、既存の支援枠の金額では、とても足りないということは私も十分認識しています。 現状は町の口座宛に1500万前後の義援金を頂いていると聞いており大変有り難いことですが、大きな被害を受けた方の生活再建への十分な金額にはまだまだ達していないという認識ですので、別途一市民としてもより多くの義援金を頂くための仕組みと取組みを仲間達とともに進めているところです。


【最後に】

 最後になりますが、議員のやるべきことはビジョンや財源の裏付けもなくお金の配分をすることを町に訴えるのではないというのが私の考えであり、権限から見てもその決定権は議員にはありません。 その考えと前提の下で一つひとつ、パフォーマンスではなく、具体的な付加価値の創出に繋がると考えられる、やれること、やるべきことを実行しているところですので、ご不満や大なり小なりの考えの相違もあるかとは思いますが、ご理解いただければ幸いです。

 以上、長々と恐縮ですが、ご指摘の意図や背景はしっかりと受け止め、今後とも町の復興と被災者の皆様の暮らしの再建に向けて一層尽力致します。

※知人より、2016/05/24 14:55に記載した返信コメントが読みにくいとの指摘があっため、ヘッダーを付けたうえで再投稿しています

| 金田英樹(かなだひでき) | 2016/05/31 16:59 | URL | ≫ EDIT

被災住宅所有者ですが県外に居住しており、被災日以降の手続きが
中々伝わってきません。町居住者だけにしか、各種手続きが伝達されないのは、どうしてでしょうか。税金等の納付者としては、不満です。

| | 2016/07/17 23:02 | URL |

 コメントを有難うございます。

まず、町の実情からご報告をさせていただきますと、今回の震災に伴う諸手続きは全て「申請主義」で行われているため、町在住の方々も広報誌やHPによる自力での情報収集を中心に、家族・親戚あるいは区長等の地域の力を借りながら、さらに不明点があれば役場に赴くなどしながら諸手続きをしています。

しかしながら、特に複雑な震災関係手続においては、町内在住者でさえ、6/12の記事(http://kanadahideki.blog.fc2.com/blog-entry-410.html)にもあるような申請漏れによって、”本来受けられるはずの支援を知らないがために受けられていない方々”も出ています。
 この観点からは、可能な限り漏れを防ぐべく町へも色々と具体的なお願いをしているところですが、事務負荷や人員上の限界もあり依然万全とは言い切れない状況です。

上記を踏まえてですが、ご指摘の通り県外在住の方は近所レベルでの情報交換や役場に赴くことも難しいため、HPや広報誌(HPに掲載)のみが情報源になり、情報収集上においては在住民以上の困難が伴うことはよく分かります。
住宅所有者の方々にも、相続物件、仕事による半年~数年の県外派遣中、さらにその中でも空き家や賃貸中の物件があるなど形態は多様です。
 根本的な解決にはならないかもしれませんが、まずは町へは、たとえばHP上に「町外在住で物件をお持ちの方々」のページや連絡先を設けるなど、町内在住者以外の土地所有者の方々などにも一層より沿った対応ができないかを提言致します。

その他にも具体的なご意見・ご助言等がありましたら、ぜひ頂戴できれば幸いです。

| 金田英樹(かなだひでき) | 2016/07/18 01:14 | URL | ≫ EDIT















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