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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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説明を尽くすことの意義

  「役場職員も議員も無理難題を含めて色々言われて大変でしょう」という声を頂きました。

 今回の震災対応で窓口にも何度も赴き、職員の方々の尽力や大変さも身に染みて感じられたようで、深い感謝の気持ちからの言葉です。

 さて、政治家に対しても行政職員に対しても、理にかなわない(どう解釈しても公益にかなわないものや法に反する)要望はもちろんあって、「もっと事情を分かってほしい」という気持ちも理解はできるのですが、そこで最初に歩み寄るべきなのは、やはりサービス供給者であり専門家でもある公的立場の側だと思っています。

 私も色々なご意見やご要望を伺うことは多いのですが、最初どんなに語気を強めて訴えてこられる方も、一つひとつ丁寧に理由や背景を説明すれば9割の方は完全には満足しなくとも一定の理解はしてくださいます。

 対話にはパワーも使いますし、逆に言い返せば怒鳴られることもありますし、最終的に平行線のケースもあるので、傾聴に徹する方がそこだけ切り取れば個人にとって合理的な選択かもしれません。 

 ただ、それでも地道に説明と対話を繰り返すことでしか「行政」や「政治」と「一人ひとりの住民間」での「相互理解」や立場を超えた「共感」は育たず、それでは市民社会としても中々成熟していきません

 大学時代のある同級生がよく引用しているのですが、近代経済学の父であるアダム・スミスは、最初の主著『道徳感情論』(The Theory of Moral Sentiments, 1759)において、市民社会を市民社会たらしめる原理は「同感」(Sympathy)である、と説いています。他者あるいは当事者に「同感」することによって、自身の心の中の「公平なる傍観者」(impartial spectator)が、行為や行動の「適宜性」(propriety)を判断する。すなわち、「想像力」こそが市民社会の骨格であり、絶対的必要条件であると述べています。

 そして私は、その想像力を養うのに最も重要な要素の一つが「対話」であると考えています。

 民間企業においては、その場その場で説明責任を果たさなければ結果顧客は離れていきますが、行政や政治に関しては対応が気に入らないからと言って引越しをするのはあまり減現実的ではないため、組織として説明と対話に対するインセンティブは働きにくくなります。

 役場組織で言えば、そうした構造的な背景やそこで養われた「文化」とでも言うべきものに根差しているのでしょうが、言い換えれば、対話を求められる局面でどのような対応をするかには何ら財源や法的制約はなく「心持ち」だけの問題です。

 あとは、もちろん職員一人ひとりが自信を持って説明できるように「組織の理念と考え方を内部に浸透させること」、そしてはっきりとモノを言えるように最終的な責任は取るという「首長の意思と覚悟を組織内に示すこと」も大切だと思います。

 そうして「対話」を前提に築き上げていく住民との「相互理解」と「共感」の先に職員の新たな働き方や遣り甲斐、そしてより良い住民サービスや町の形、あるいはまちづくりへの住民の参画があると考えています。

| 言論・政策 | 21:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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