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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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大津町の人口増加に潜む罠

 「人は目の前の湧き水に目を奪われがちだが、気づくと背後が干上がっていることもある」

 これは2001年のカンヌ国際広告祭のフィルム部門で日本代表審査員を務めた藤井実氏(博報堂 グローバルMD推進局長)の言葉です。

 昨日、某所でうかがった話の中に「現在、1億2700万である日本の人口は、仮に今のままの出生率と死亡率が続くと、2100年には5200万にまで減少する」という件(くだり)がありました。

 しかし、大津町はこうした状況においても、震災後も含めて人口は増加傾向にあります。 そうした背景もあり、県内外の様々な自治体の職員や住民の方々とお話した際に私が肌で感じる先方の「危機意識」と本町のそれはやはり異なります。

 
 しかし、この状況には2つの罠が内在していると思っています。


 一つ目は、外部環境の面です。 マクロで見れば大津町の人口増の源泉は主に阿蘇地域の方々の流入にあり、逆に大津の方々は菊陽町、熊本市と都心部へ段階的に移住する構造があります。
 また、阿蘇地域の多くの方々が大津町で消費活動をしており、これが「経済圏」ベースでみると大津町の消費額を押し上げています。 しかし、阿蘇地方の人口は継続的に減少傾向にあり、これは町のそう遠くない将来像を考えるうえで、対応・対策を考えるべき事項です。 
 例えば、先の事例を参考に一つ挙げるなら、大津町民が菊陽や熊本市内へ移住する流れや、消費活動を行うトレンドをどのようにすれば緩和することが可能か等の課題への対策が必要です。


 二つ目で、こちらが本題なのですが、内的な構造と意識の面です。 私は、人口減少よりも「年齢構造の変化」、つまり高齢化、と町内の”スポンジ化”の方が、インパクトの大きな課題である考えています。

 大津町においては、確かに人口が増加しています。 これは税収などのまちづくりの観点から好ましいことではあるのですが、それ以上に高齢者の比率が増加しているため、医療や福祉などに要するコストは構成比率で見ても年々増加傾向にあります。 また、町全体で見れば人口は増加傾向にありますが、地域の一つひとつに目を向ければ高齢化や過疎化が進んでいるエリアが複数あります。 さらに、中心部においても、住宅地域内で空き家・空き地が増加する"スポンジ化"が進んでおり、震災後は特に顕著です。 人口流入によって新興住宅地が広域に拡散する一方で、このように町内各地でスポンジ化が進むと、公共交通や施設整備など行政の効率は当然悪くなります。

 経済成長や人口増加は色々な政策の矛盾を覆い隠してしまうところがあります。

 これは、成長著しい社会においては、事の大小はあっても福祉なり、インフラなり、全ての人々に何かしらの恩恵があり、資源の使い方や分配が効率的、合理的ではなかったとしても、不満や不具合は表面化しにくい構造があるためです。

 一方で現代社会は「何を選ぶか(削るか)」の段階に入っています。 こうした社会においては、より多くのサービスを残すためにより少ないヒト、モノ、カネで同程度か、それ以上の付加価値を生み出すための工夫や努力が不可欠になりますし、(もちろん福祉や弱者救済などの観点から残すべきものもありますが)サービスの取捨選択も避けられません。

 上述した2つの面から、大津町においてもこの状況は同様です。 もちろん、職員も議員も危機感はありますが、最初に述べた通り「大変だけれど他の自治体よりは恵まれている」という意識・無意識レベルでの現状理解は危険だと思っています。

 宿泊勉強会などで全国の自治体の議員とお話しますが、財政運営の厳しい自治体ほど、行財政改革に積極的であり、本気度も随分高いと実感しています。

 目の前の湧き水に目を奪われるのではなく、如何にその水を有効に使うかという個人レベルでのマインドの変革、そして中長期な視点で新たな源泉を生む取組みが求められています。

| 言論・政策 | 23:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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