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大津町議会議員 金田ひできの『新風!』

熊本県大津町の議会議員、金田ひできのブログ 『新風(しんぷう)!』

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行政事務効率化の誤解② ~如何にして効率化を進めるか~

【なぜ行政の業務効率化とサービス向上は進まないのか】
 民間企業と比較して多くの市町村の業務効率化は大幅に遅れていると感じています。

 なぜか。

 一つには、職員の中にも前述のような【行政の仕事に効率化の考えは馴染まないという”誤解”】があるためです。特別定額給付金10万円の話は言われてみれば当然の工夫・効率化策ですが、やはり組織の中に「少しでも記入・添付ミス(不備)や問い合わせを減らそう」という基本的な意識がなければ、国の提示した雛形を、そのまま使うという流れにしかなりません。

 そうした自治体が如何に多いかは報道の通りです。
 
 また別の理由として、サービス向上面とも重なりますが、一つには「行政組織が民間企業のような競争にさらされていない」という背景もあります。民間企業の場合には、少しでも分かりやすく情報を出したり、少しでも早くサービスを提供したりすることが顧客評価(顧客増・顧客維持⇒売上増・収益増)に直結し、それが劣後すれば最悪は倒産します。

 一方で、行政サービスの場合には「地元の役所のサービスが気に入らないから他の市町村へ転居する」というケースはまずありません。

 言うなれば、民間では組織存続のために働く”自浄作用”が行政では働きにくい構造にあります。

 こうした慣習や構造が行政の業務効率化を阻んでいる大きな要因です。


【如何にして効率化を実現するか】
 業務効率化に向けたシステム導入やコンサル活用など、テクニカルな話はいくらでもあります。しかし、単純ながら最も大切、かつ、まず必要なのは「誤解を解くこと」、つまり、「組織としての意識の変革(マインドセット)」です。

 上述の通り、効率化とサービス向上を同時に実現するための手法は多数あります。そうした中で着眼点や技術なども大切ですが、そもそも特別定額給付金10万円レベルの話であれば入口は単純です。

 「この文言や雛形、案内文だと住民にとって親切ではない(分かりにくい)のではないか?」、「このままでは不備や問い合わせが多発するのではないか?(結果、住民に迷惑が掛かるのではないか?)」という疑問を持ち、「どうすればより良くなるか」に、組織・個人が都度徹底して向き合って考える文化・習慣、組織風土があるかないかの話です。

 そして、その認識変革にまず求められるのは、やはり組織のトップである首長による”腹落ち感のある号令(マインドセット)”です。

 もちろん、単なる号令と意識変革だけでは限界があるため、改善を進める”具体的な制度や仕組み”、そして"具体的な方策・切り口"の設定も必要になります。

 制度・仕組み面の話をすると、例えば一般的に職務経験が長くなればなるほど、自組織の違和感に気づきづらくなります。また、ITサービスやシステム絡みの話はデジタルネイティブである若手の方が直感的に習熟しており、業務に置き換えた際も色々なアイディアが出るケースが多いのですが、特に新人などは面と向かって上司や所属長への提案はしづらい。

 そうした事情を勘案すれば、若手職員を中心とした「業務改善提案制度」や「業務改善タスクチーム」などを創設することで、受動的ではなく能動的に現場からの改善できる仕組みを創るようなことが考えられます。 若手×デジタルの逸話を一つ挙げると、大津町のケースでは熊本地震の際、電話の混線などによって本部と避難所、また避難所同士の電話も非常に繋がりにくく現況把握すらも難しい状況でしたが、一部の若手職員は現場レベルでLINEのグループトーク機能等を活用して情報共有を図っていたそうです。

 また、効率化の取組みを一過性や一部分で終わらせないためには、AI・RPAなどの先進技術も取り入れる【スマート自治体】というトレンドも踏まえた「全体のビジョンと計画」、それらを設計・管理推進できる「責任者」の存在が不可欠です。


【産みの苦しみを伴うからこそ、共通理解と戦略が不可欠】

 整理すると、まず【①首長の意思決定と号令】、次に【②具体的なビジョン・計画を描いて一連の取組みを管理推進できる人財】、【③現場を動かすための仕組みや制度、具体的な方策・切り口】を整える。

 業務効率化は、既存の制度・様式を変革するため、一時的には業務が膨らむという産みの苦しみがあります。

 だからこそ、実際に進めるためには上述のような【長期視点(長い目で見れば楽になる)や全体最適(担当の仕事は増えるかもしれないが組織全体で見れば仕事は減る)に根差した「共通理解」や「戦略(計画・展望)」が不可欠】です。

 以上は大枠ですが、より良い役所を創るために、議会6月定例会の一般質問では、この辺りの話をさせていただく予定です。

| 言論・政策 | 18:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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