●新人で町議の金田英樹氏が出馬する意向を表明した。出馬表明者は1人目。金田英樹(かなだ・ひでき)氏は1982(昭和57)年11月2日生まれ、大津町出身、38歳。東海大学第二(現東海大学星翔)高校―慶應義塾大学 経済学部卒。2007年、第一生命保険(株)に入社し、事務企画部で業務の効率化、品質向上などを担当後、海外駐在、国際業務部業務リーダー、支社課長などを歴任。13年の大津町議選に出馬し初当選、以降2期連続。18年に東熊本青年会議所の理事長なども務めた。
―出馬の理由は。(金田) 大津町は人口が増加しており、産業集積も進み県下でも活気がある自治体のひとつだが、立地や人口・産業構造を踏まえれば、まだまだ伸びしろがある。
民間で培ったノウハウや町外での生活経験なども生かし、新しい風を吹き込むことで町をより良くできると考え出馬を決意した。
―町議では経験を町政には生かせなかったのか。 (金田) 意見や提案が町政に反映され上手くいったものもある。一方で、政策の方向性は取り入れられたものの実行段階でのズレを感じたことも多い。政策を提案するだけではなく役場の中に入り、政策の実行・実務にも深くかかわりながら改善をおこなっていく必要性を感じている。
―政策は。 (金田) コロナ対策は前提として、中長期的な視点をもって、具体的な政策をベースに福祉や子育て、産業育成など全体観をもってやらなければならない。そのための101の重点政策をまとめ、政策誌やHPでも発信している。
ただし、実現には人もお金も必要であり、業務効率化や職員育成を含めた行財政改革が不可欠。 会社員時代に業務の効率化と品質向上を担当し、さらに8年間議員としてかかわるなかで、行政に民間の発想を上手に入れていくことでより良くできる部分も多いと実感している。
民間の発想、あるいは効率化と言えば、「住民サービスが低下するのではないか」と懸念する声も聞かれるが、例えば、住民票をコンビニでも発行できるようにすることで住民サービス向上と窓口負担軽減が同時に実現できる。やり方によって効率化と住民サービス向上は両立できるし、その余地は少なくない。
また、どれだけ素晴らしい政策を描いても、実行できる人材がいなければ、絵に描いた餅になる。役場内の人材育成に力を入れて、職員発信の改善や新事業も自発的に出てくる強い組織をつくることで、住民サービスの向上に努めたい。
一方で、役場内の資源だけに目を向けても限界があるため、民間の企業や団体とも柔軟に連携・協力し、外部の人やモノ、アイディアなどの資源を町政に取り入れていくことが町の発展、住民生活の向上につながる。
―現職の評価は。 (金田) 現職の町長は4期16年目。歴も長く役場出身で安定している。
ただ、役場には中途のキャリア採用や民間への出向などもないため、役場出身の首長が続き過ぎれば、組織の硬直化や世間の感覚とのズレなどが懸念される。さらに、現在は変化がとても激しい時代に突入しており、これまで通りのやり方だけでは通用しないと考えている。良い部分は残し磨きながら、さらに新しい発想や感覚、仕組みを加えることで、よりよい大津町をつくりたい。
―どのように支持を広げていくか。 (金田) コロナ禍での選挙戦でとても難しい。コロナの状況を見定めながらになるが、大規模な集会など感染リスクが危惧される動きは現時点では控えた方が良いと思っている。ただ、ビジョンや政策はしっかり発信しなければならない。
3カ月に1回、8年間続けている報告誌の配布に引き続き取り組んでいくほか、ネットでの発信や街頭活動などにも力を入れる。これまで、議員活動はもちろん、地域ボランティアや、青年会議所、復興支援団体などで町民と関わる機会は多くあり、その積み重ねで政策もつくってきたので、そのなかで培った個人的な人脈も駆使しながら支持を広げたい。