「阿蘇くまもと空港へのアクセス改善についての住民説明会」の要旨
なお、この時間にもかかわらず300名を超える出席があり、関心の高さが窺えました。

【町長挨拶】
まず、開会に先立って町長より、以下のような挨拶がありました。
「当初は県の意向もあり、県全体のことを考えると仕方ないかなと思う部分もあった。しかし、JR九州社長が肥後大津駅からの分岐延伸を希望しているとの話があり、誘致に向けて住民と共に取り組んでいこうという思いに至った。大津町の発展に繋がるように努力する。」
【内容説明】
(これまでの取り組みについて)
町がおこなってきた活性化に向けた努力として、「駅南口およびビジターセンター開設(H23)」、「県との共同による空港ライナー運行(H23)」、「大津駅前交番設置(H29)」、「肥後大津駅周辺地域活性化事業実行委員会設立(H29)」などの紹介がありました。
また、「肥後大津駅の乗車人数が1日あたり2,555人(H29)で、県内5番目、JR九州管内で75位であり、非常に多いこと(三里木駅は593人)」、「エアポートライナーの利用者数は年々増加しており、現在は1日300名ほどが利用していること」、「バスの乗り入れ数が多数であること(1日最大106便)」など、大津町が交通の要衝である旨の説明がありました。
(熊本県の空港アクセス改善案の説明と町の対応について)
県としては、「①鉄道、②モノレール、③市電の3手法から検討した結果、定時・速達性・大量輸送や事業費の観点から、①鉄道という手法に絞り込んだこと」、さらに「鉄道における分岐点としては、三里木駅、原水駅、肥後大津駅経由の3ルートの中から、県民総合運動公園や免許センターへのアクセス改善を主な理由として、三里木ルートでの実現を決めたこと」の説明がありました。
また大津町として危惧することとして、三里木駅からの分岐になった場合は三里木から阿蘇方面への電車減便に繋がり、利便性が大きく低下する恐れがあることなどの説明がありました。
一方で、この動きに対する町の対応としては、肥後大津駅からの分岐延伸を前提として、国道325付近を通るAルート、駅からほぼ直進して空港に至るBルート、東側(西原村方面)から空港の北側へ至るCルート案を示すとともに、説明会でのアンケート結果や、経済団体などからの意見をまとめたうえで、県などへ要望書を提出する意向であるとの説明がありました。
【意見および質疑】
当日は10人の方から様々な意見と質疑がありました。
●町だけではなく県や県議会会議員、そしてJR九州の方々を招いて話を伺いたい。
●スポーツの森駅を設置するとともに、東回りでのルートをとれば町の発展につながる。費用は掛かるかもしれないが新興住宅ができることによる住民税などで十分にペイできる。先を見据えた施策が必要である。
●町の示したC案(東回りで空港北側へ至るルート)になれば、将来的には環状線の話も出てくる。
●20年以上前になるが荒木町長在任時に複線化、電化、空港への分岐延伸の話が出ている。町として確認していなければ参照願う。単線では本数にも限界があるので複線化の検討も必要。
●県の蒲島知事が三里木ルートで考えているならば、肥後大津駅分岐を押している青柳社長と共に引っ張っていただきたい。三里木ルートでは、利便性の減少によって大津町の過疎化につながり、高校の通学にも大きな支障が出る。
●そもそも分岐延伸ルートを誘致するためには大津町自体が魅力的である必要がある。文化財や自然などの多様な町の魅力を掘り起こし、磨き、生かしていただきたい。
●大津町には本田技研をはじめ、多数の企業がある。仮に三里木ルートとなった場合は、そうした企業にも申し訳ない。何としても大津町への誘致を実現してほしい。
●そもそも、人口減少時代に血税を投じて新路線をつくる必要はないのではないか。シャトルバスの増便で済む話である。
●説明会の開催が遅すぎる。もっと早くに動いていくべきであった。
●三里木ルートによって便数が減少するのが何より心配である。大津町だけではなく阿蘇地域へも大きな影響がある。また、利用者数に違和感があるので再度の確認をお願いしたい。
なお、当該案件に関する私個人の考えについては、次のエントリーで述べさせていただきます
次記事リンク→空港への豊肥本線分岐延伸に対する金田の考え
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